レイテ戦記(四) (中公文庫)
レイテ戦記(四) (中公文庫) / 感想・レビュー
しんすけ
最終巻は下記の記述で始まる。/昭和二十年一月一日、東京の元旦は空襲警報で明けた。/ ぼくのように空襲によって黒く汚れたビル等を観て育った世代は、敗戦がつい先日だったような気分に陥る。戦争とは何のために行われるのか。祖国の発展の為か。国民生活を豊かにする為か。そんなことはあり得ない。戦勝国の米国でさえ国民全体は貧しくなったとしか云えない。戦争なんてものは政治家や軍人の自己満足の為に行われるのである。そして負ければ、部下たちが能無しだったと云えばそれで済む。泣くのは国民の大半を占める庶民だけである。
2019/03/07
garakuta@血液検査で、貧血が引っ掛かりましたよ
図書館本。レイテ戦にまつわることは解ったが、戦の波にのまれ散っていった軍人たちや生き残った軍人たちの気持ちを推し量ることはできないが、戦のむなしさを思うには、実に有意義な史料である
2018/09/16
ソラオ
読破しました。 またひとつ難読の長編を読破… 部隊名の判別が難しく日米どちらの部隊かわからなくなることもあったけど、馬鹿な無駄な戦いというひとことで片付けられてしまっていたレイテ戦における、ひとりひとりの生き様を実感した。 戦争はよくないという大前提の上で。 戦争の時代に生まれて、徴兵されて、戦わされる悲しみを突き抜けて、自分なりの戦い甲斐(家族のためなど) を見出して、力を尽くして死んでいく人々の尊さに作者は光を当てたかったのだ。 今の時代もまた、おろかな組織の中で、人は生きている。
2020/08/17
Takahide✈Yokohama
四巻は撤退戦と司令官の戦死で実質完結。残り2/3はエピローグや後書き、資料です。裏表紙に投入した80,000人のうち、生還が2,500人とあるが、第6表によれば投入兵力84,006、戦没者79,261、生還者2,500、転進者2,245人なので、生きてレイテを出れたのは5,000名弱。
2019/10/31
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