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葛飾土産 (中公文庫 な 73-2)

葛飾土産 (中公文庫 な 73-2)

葛飾土産 (中公文庫 な 73-2)

作家
永井荷風
出版社
中央公論新社
発売日
2019-03-20
ISBN
9784122067158
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ジャンル

葛飾土産 (中公文庫 な 73-2) / 感想・レビュー

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Nao Funasoko

初の永井荷風。読み切れるかどうか不安だったが小編の積み重ねだったこともあり無事読了。 戦中戦後の市井の様子や庶民の心持ちなどが感じられる。今までほとんど興味なかったジャンルであり時代なので知識足らずでピンとこない情景描写も所どころあったものの新鮮な気持ちで読み進められた。他日、他の作品も遡ってチャレンジしてみようと思う。

2019/04/03

マッピー

戦後の作品を集めた作品集。戦後の食糧難について”われわれが再びバナナやパインアップルを貪り食うことのできるのはいつの日であろう。この次の時代をつくるわれわれの子孫といえども、果してよく前の世のわれわれのように廉価を以って山海の美味に飽くことができるだろうか。”と書いた荷風。思ったより早く飽食の時代に突入してしまったけれど、荷風はなんと思っただろうか。やっぱり何か毒づくんだろうなあ。

2021/03/16

YO)))

市川菅野在の荷風の見た往時の葛飾辺─端的に言って京成沿線─の情景や風俗を楽しむことができる。特に表題作の随想と、戯曲「春情鳩の街」は風情があって良いと思う。 本編と久保田万太郎の翻案による「葛飾土産」映画のための構成版までは良いのだが、巻末の石川淳のエッセイ「敗荷落日」が(タイトルからして中々非道いと思うが)晩年の荷風を痛烈にディスっていて、いくら歴史の中に相対化された作家とは言い条、何もコレで締めなくてもという気分になった。

2021/01/03

Inzaghico

本書に収められた石川淳の「敗荷落日」は、戦後の荷風の落魄ぶりを手厳しく批判していて、「おもえば、葛飾土産までの荷風散人であった。戦後はただこの一篇」とばっさり。確かに度肝を抜く最期だったけどねえ。 それにしても、荷風は男性よりも女性を描くほうが断然うまい。いろいろなタイプの女性と接してきたからだろう。 本書の「にぎり飯」と「春情鳩の街」を合わせた久保田万太郎の戯曲「葛飾土産」は、両方のエッセンスをうまくすくいとり、それに久保田の創作が加えられていて、読んでも面白い。これ、上演されたのかしら。

2019/06/01

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