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文章読本 (中公文庫, よ17-15)

文章読本 (中公文庫, よ17-15)

文章読本 (中公文庫, よ17-15)

作家
日本ペンクラブ
吉行淳之介
出版社
中央公論新社
発売日
2020-11-25
ISBN
9784122069947
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ジャンル

文章読本 (中公文庫, よ17-15) / 感想・レビュー

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佐島楓

吉行淳之介氏の文章を久しぶりに読みたくて買った。大上段に振りかぶるような大家の文章が多いなか(近年までご存命だった方々にはその傾向は薄く感じた)、宇野千代、佐多稲子両氏の文章はすっと心に入ってきた。「自分は駄目だなぞと言ってはいけない。自分は書ける、とそう言い切ることである」「謙遜は美徳ではなくて悪徳である」と断言される宇野氏の飾り気のない言葉に救われた。

2020/12/27

Foufou

文章・文体について問われての、二十人の作家による考察のアンソロジー。三島はサービス精神旺盛の人。川端の分析は的確と感心したが、弟子の代筆のよう。丸谷は日本語の文体は小説家が作ったと断言。慧眼だがどうもこの人の物言いは鼻につく。古井由吉いわく「文章を書くということは古典という観念への志向」。まさに。安岡章太郎は油断ならない。中野重治と佐多稲子の書き振りがどうも私は嫌いらしい。金井美恵子、相変わらず才気走ってます。巻末の吉行と丸谷の対談。なんか、もう、昭和のオヤジの悪いとこ剥き出しって感じ。ある意味文体だね。

2023/09/16

ふくしんづけ

谷崎、宇野、中野、佐多、三島、島尾、小島、安岡、澁澤あたり。谷崎の「感覚を磨くこと」より〈多く読むことも必要でありますが、無闇に慾張って乱読をせず、一つのものを繰り返し、暗誦することが出来るくらいに読む。〉チャチャッと読みとばして冊数に得意げ、すぐ忘れてそれきりもアーララアラだけども、新しいものに行ってしまう欲求、あれ読み返したいなと思いつつ、気になるアノ作家、となりがちなので、自戒。〈書きちらされたことばの死骸の累々たる惨状のあいだをさまよって、読みかえさねばならぬ。〉〈つまりは、削りとることだ。〉

2022/04/13

広瀬研究会

文豪、文士たちの文章に関する文章のアンソロジー。吉行淳之介とか野坂昭如は今さら気恥ずかしい思いがあるのか、韜晦気味に語っているのが面白かった。谷崎潤一郎や三島由紀夫のように自作の『文章読本』がある人はそこからの抜粋が収録されていて、さすがの読みごたえ。萩原朔太郎は「日本の詩人は散文を書け」と言い、『枕草子』『方丈記』『奥の細道』といった日本古来からの詩的散文を挙げていて、スケールの大きさを感じた。

2023/09/18

relaxopenenjoy

谷崎潤一郎の文章讀本、それに続く三島や川端、丸谷の文章読本、その他の作家による文章や文体、書き方などに関する小文を集めたもの。巻末の吉行淳之介と丸谷才一の対談が面白い。小島信夫の自己分析(噛みつくようなw)も面白かった。本作掲載の作家が挙げる、影響を受けたり読まれている作家の中に梶井が多かった気がする。あと、いつかちゃんと読みたいと思っている金井美恵子がすごい読みにくく、ちょっとどうしようって思ってしまった。

2022/08/24

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