僕と彼女の左手 (中公文庫 つ 32-1)
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僕と彼女の左手 (中公文庫 つ 32-1) / 感想・レビュー
mae.dat
こう言う世界観は辻堂さんの真骨頂なのでしょうね(まだ2冊しか読んだ事ないのですけど)きっと。災難や困難が降り掛かっても前向きに克服して行ってね。それで自分も気合いを注入されるの。友達からの励ましもあったけどさ。青春恋愛小説。ええのう////。ってところであれ?オチがついたのに、まだまだページが残っていますよ?ただ良かったね。ほっこりってだけじゃなく、もう一捻りミステリー的な要素付け加えられていました。おおー、そう言う事(*˙˘˙)♡。
2021/06/15
のぶ
辻堂さんは先に読んだ「十の輪をくぐる」が良かったので読んだが、本作も恋愛、音楽小説として感動した。物語は、医学部生の時田習と清家さやこが学園内で出会うところから始まる。さやこは右手が不自由だけど、左手でピアノを奏でる才能を持つ。何度か会ううちに、習はさやこに恋心を抱くようになる。話は進み、二人はある出来事がきっかけで過去に出合っていたことが明らかになってくる。その過程がとても読ませるし、本作の核心部になっている。2人の健やかさがとても気持ち良い。彼女が弾く左手のピアノ曲をぜひ聴いてみたいと思った。
2021/04/08
kei302
左手のピアニストと言えば、舘野泉。残念ながらナマ舘野は観たことがありません。小山実稚恵さんの演奏や近隣のピアニストさんたちの音楽会で演奏されたのは観たことがあります。トリハダものです。両手で弾くのとは別ものです。だから、さやこが左手だけで弾くのを聞いた/直に見たときの時田習の衝撃や感動、とてもよくわかります。 出会って、親しくなって、う―ん、何か安易でラノベっぽく進みますが、出会いに秘密があったとは! 中盤からぐいぐい来ます。右手が動かない さやこを 習が支える話ではありません。辻堂さん、さすがです。
2021/04/30
akiᵕ̈*
医師になるべく医学部に通っているも、過去のトラウマから前に進めなくなった習(しゅう)は、大学進学を目指している、右手が不自由で左手だけでピアノを奏でるさやこと出会う。さやこの積極的な誘いから2人は距離を詰めていく。この少し不思議な出会いがこの物語のミステリー要素となり徐々に謎解きが明かされていくも、習の秘密には気づかなかったけど、さやこの存在は最初から感じ取れてしまったので、少し軽めなミステリー要素あり、ハートフルな青春、再生の物語という感じでした。
2021/05/16
じょんじょん
辻堂ゆめさん作品は『あの日の交換日記』に続いて2作目。『あの日・・』も読後感は優しくてほっとするエンドでしたが、なるほどねというミステリー感を感じさせるものでした。留年する医大生と右手の不自由なピアノ好きな大学進学を目指す女性のストーリーの本作はいっそうハートフルな印象です。女性との出逢いから、彼女の謎にぐんぐん引き込まれましたが、それが頂点に達したときに医大生習の秘密に転換します。さすがです。謎解き感臭がなくて、心が温かくなるエンド、素敵なハートフルミステリーでした。作者の別作品もぜひ読みたいと思います
2021/05/03
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