斑鳩王の慟哭-新装版 (中公文庫 く 7-23)
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斑鳩王の慟哭-新装版 (中公文庫 く 7-23) / 感想・レビュー
スリルショー
聖徳太子が現代人と同じように悩みながら生きている様を少し冗長ではあるが、書いてある。毎日、仕事をしながら生活をしている身からすれば、共通するところが多く、示唆される文章が多い。そのページの端を折りながらの読書になった。仏教に帰依する理想的な政治を行う厩戸(聖徳太子)と現実的な政治を理想とする蘇我馬子、それに女帝推古がからみ3人の人生の最終章に向かう。物語としては厩戸(聖徳太子)が亡くかってから息子山背、蝦夷の確執が俄然面白い。
2022/01/19
kmiya3192
斑鳩宮で厩戸皇子は政治を行う。飛鳥には推古天皇と蘇我馬子がいる。推古天皇は自身の母である堅塩姫の石棺を檜隈大陵の欽明帝との合葬を強行した。616年犬上御田鍬の遣隋使が派遣される。馬子も年をとり息子の蝦夷が権力を握っていた。そして厩戸皇子が倒れる。49歳でこの世を去るとその子山背大兄王と蝦夷との対立が表面化していく。馬子が亡くなると馬子の墓を建てるにあたりその作業小屋へ何者かが火をつけた。蝦夷は山背へ濡れ衣を着せこれを口実に斑鳩へと兵を向ける。こうして上宮王家が滅亡することとなる。
2022/01/20
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