昭和23年冬の暗号 (中公文庫, い108-7)
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昭和23年冬の暗号 (中公文庫, い108-7) / 感想・レビュー
フンフン
2009年の発表時には『ジミーの誕生日』というタイトルだったのを2011年に文春文庫化するにあたり『東条英機処刑の日』と改題し、本年中公文庫にするにあたって1983年に発表した『昭和16年夏の敗戦』との関連を明確にするため『昭和23年冬の暗号』と改題したとのこと。でも知らない読者は猪瀬の新作かと思って買っちゃうかも。それをねらっているんだろうけど、旧作をタイトルだけ変えて何度も出すのはいかがなものか。ミステリー仕立てにしてあるけど、平成の天皇誕生日が東条処刑日だって誰でも知ってるがねえ。
2021/10/30
きっしょう
「ジミーの誕生日」の改題と知らず再読。ミステリーめいた展開で、マッカーサーや天皇家、その周辺の様々な人たちの入り乱れる思惑は著者の推測を含むが面白い。天皇家の存続や戦犯や戦犯から排除された人たちの背景なども分かり易く 当時の社会の一断面を垣間見せてくれる。 ただ、名著「昭和16年夏の敗戦」の流れに徐々に改題して寄せるのはいかがなものか。あとがきも完結編として繋げるための言い訳にしか読めませんでした。
2021/07/29
spike
期待が大きかっただけに、「昭和16年夏の敗戦」と比べると緊迫感がなあ、、、ケーディススキャンダルが題材のひとつだから仕方ないですが。ラストは、これも、うーん、蛇足かなあ。文庫再刊によせてのあとがきも、言いたかったことはわかるのだけど、、、
2021/07/24
N_K
疎開している平成天皇を終戦時に拘束されないように動いたことや、東京裁判の内容、マッカーサーが飛来する厚木基地の対応など、こと細かに取材されていてすごい。
2022/07/26
🐙🦀
「戦後民主主義教育の失敗は、戦前を全否定したところにある。(略)過去を封印してしまえば一歩も先へ進めない。敗戦の八月十五日ばかりを強調して開戦の十二月八日を無視している」
2021/08/29
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