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長野まゆみの偏愛耽美作品集 (中公文庫 な 77-1)

長野まゆみの偏愛耽美作品集 (中公文庫 な 77-1)

長野まゆみの偏愛耽美作品集 (中公文庫 な 77-1)

作家
長野まゆみ
出版社
中央公論新社
発売日
2022-02-22
ISBN
9784122071827
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ジャンル

長野まゆみの偏愛耽美作品集 (中公文庫 な 77-1) / 感想・レビュー

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やいっち

題名や、表紙の絵をちゃんと考慮すべきだった。そもそも耽美作品嗜好は自分にはほぼない。あるいは皆無か。美しい人は好きだが、美と幻想の世界に妄想の中ですら、浸るのは尻込みする。まして、少年愛の性癖となると、自分の感性には全く刺さらない世界。

2022/06/07

藤月はな(灯れ松明の火)

再読、多し。艶笑譚とも言える「狐」の種明かしは後朝のような官能性を孕む。「蔵の中」の病んだ美青年(女装癖あり)の虚構を現実にしようとする執着は標的者のみならず、読者の心に絡みつく。「沼」の一度、罠から逃れての・・・と子供のささやかな虚栄と根拠のない自信、母親の過保護さが交わり、悲劇を生み出す展開の妙たるや。「昆虫図」は一気にホラーに大変身。「青き菊の主題」は流石、塚本邦夫氏という蘊蓄の玲瓏さ。個人的に夭折の天才、田中恭吉氏を知る事が出来て収穫でした。何時か、彼の作品を観に和歌山県立近代美術館へ行きたい!

2022/04/24

優希

耽美で幻想的な物語を集めたもの。長野さんの愛する美の世界。贅沢な味を堪能しました。

2022/03/09

まさ

長野まゆみさんセレクトの偏愛アンソロジー。ひとに隠れてこそこそ愉しむ"耽美"の感覚は長野さんの少女時代のもの。耽美や偏愛をどう捉えるかは人それぞれでよいですね。鏡花や百閒、漱石の定番作品が選ばれていたり、初めて読む方の作品もあったり。編者の思考・嗜好を感じられて、各編を読む楽しみとは別の楽しみ方もできる。随筆や詩歌を含めていることもよい発見でした。

2023/09/14

❁Lei❁

著者の美学がぎゅっと詰まった濃ゆいアンソロジー。どれも妖しく幻想的で、「珠玉」の文字が似合う作品ばかりでした。少年愛的な要素はあったりなかったりですが、耽美の源泉を知るのに十分な迫力があります。著者が宮沢賢治に影響を受けていることは有名ですが、他に上田秋成や幸田露伴などにも幅広く精通していることに感服しました。永井荷風や谷崎潤一郎など耽美派作家も名を連ねています。近代文学の美に触れてみたい方におすすめの一冊です。

2022/12/18

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