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必要になったら電話をかけて (村上春樹翻訳ライブラリー)

必要になったら電話をかけて (村上春樹翻訳ライブラリー)

必要になったら電話をかけて (村上春樹翻訳ライブラリー)

作家
レイモンド・カーヴァー
Raymond Carver
村上春樹
出版社
中央公論新社
発売日
2008-07-01
ISBN
9784124035117
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必要になったら電話をかけて (村上春樹翻訳ライブラリー) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

村上春樹が翻訳者でなければ、おそらくカーヴァーを読むことはなかっただろう。そうすると、20世紀アメリカ文学についての、ある一側面を知ることもできなかったことになる。本書に収録された5つの短篇は、いずれもカーヴァーの没後に発見された遺稿を編集したものであるが、そうは思えないくらいに短篇集としての統一感を持っている。いずれの物語にも、大きな事件が起こる訳でもなく、もはや若くないカップルのいわば淡々とした日常が描かれるのだが、そこには生きていることの確かさのようなものが強いリアリティを持って迫ってくるのである。

2013/02/05

おしゃべりメガネ

作者の没後10年の時を経て、世の中にあらわれた未発表作品5編です。レイモンド・カーヴァー氏の魅力、作風云々はさておき、とにかく村上春樹氏が訳してる以上、本作はどこをどうとってもハルキ臭がプンプン漂ってきます。だからこそなのか、決して読みやすいとは言いがたい文章が少なくはありませんが、質の高い文章を読ませていただいてる満足感が道溢れます。で、面白かったの?と聞かれると答えに困ってしまうのも否定はできませんが、決して面白くないワケではなく、カーヴァーの世界観が十分に楽しめきれてない自分がいるんだと思います。

2020/08/31

Y2K☮

多くの未発表作品集がそうであるように十分楽しめる。と同時に何かひとつスパイスが足りない。そしてそのスパイスを加えて再構成した著者の別作品を連想できたので「ああそういう事か」と腑に落ちた。何かひとつ。その何気ない紙一重の有無が小説を傑作にも駄作にもしてしまう。表題作の結末は訳者的には不満みたいだが、これはこれでモーム風味で悪くない。でもこの中なら(訳者と同意見になってしまうが)「どれを見たい?」がベストかな。好きなのは「破壊者たち」だけど、もう少し具材を選別して煮込んだら。長編がひと段落したら短編を書こう。

2019/07/30

ましゃ

読友さんより「結婚・離婚・ダブル不倫」と本書を紹介され気になっていた短編集。どれも上手くいってない夫婦がメインの話で緊迫してるんですが、そこはアメリカ‥巧みな会話と雰囲気が出てる訳文はむしろ読んでて心地良かった。周りの人達はみんな親切にしてくれて生活に不満は一切ないのに夫婦の関係だけは疲弊している。夫婦っていうのはどちらかに気持ちのズレが生じるといとも簡単に気持ちが離れていくものなのかと考えさせられちゃいました。どれも読んでてもどかしいんですが、これがリアルな大人の恋愛模様でありアメリカ文学なんだと思う。

2017/11/17

ユーカ

カーヴァーが亡くなって10年後に発掘された未発表原稿を収めた、作家最後の作品集。生前に自らの意志で発表された作品のアイデアの片鱗が見受けられる。とはいえ「またこれか」という感じはなくて、カーヴァーの作品の中では粗削りだったり、凡庸だったりするだけで、どの作品も楽しむことができる。しかし、やはりカーヴァーをはじめて手に取ろうとする人にはおすすめしない。傑作と呼ばれるものを読み、これ以上は新たな作品を読めないという名残惜しい気持ちを持って手に取ることが、この本を最大限に楽しむ秘訣のような気がする。

2019/08/25

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