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知のモラル

知のモラル

知のモラル

作家
小林康夫
船曳建夫
出版社
東京大学出版会
発売日
1996-04-10
ISBN
9784130033077
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知のモラル / 感想・レビュー

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優希

知三部作の最終巻になります。学問と人間のモラルを絡め、どう知的にあるべきかが考察されていました。いかなる姿勢で「知」と向き合うか、突き詰めれば「知る」という行動的モラルが問われていると言うべきでしょう。対象へ注意を注ぐことそのものがモラルであり、「知」の見方をもう一度考え直す必要性があると思います。そこの基盤こそが倫理であり、道徳である。そこに「知」を積み上げる力がなければ、「知のモラル」は完成しない。その力を身につけることが、常に「知」を意識することだと言えるでしょう。

2016/11/14

Miyoshi Hirotaka

私の所属している少林寺拳法では、「正義なき力は暴力、力なき正義は無力」と教えている。仮に、これを知に置き換えると、「モラルのない知は暴力」。一般人よりはるかに高い力量をもつ記者がモラルを欠き、新聞社にチェック能力がなければ、害毒の垂れ流し。オウム真理教にも多くの知的エリートが関与した。知の暴力は、及ぶ範囲、期間、程度において甚大な被害を及ぼす。また、我われは驚く程無防備だ。会津藩の童心訓にある「嘘をついてはいけませぬ、卑怯なふるまいをしてはなりませぬ」モラルとは倫理、道徳を守り己の力を律する勇気なのだ。

2014/08/31

清水勇

率直な感想は「何を言いたいのか、結局どうしたいのか?」 難解な言葉を使い、一部の人にしか通じない複雑な論の展開としか読めず(当方の理解力が低すぎるのか?)、ほとんどの執筆者についていけず、この本に収められた17編のうち4編しか読み切れなかった。東大の教養学部の学生対象で纏められたとのこと。朝日新聞のあまりに「俺が正しい、だから事実はそれに従うべきだ」とする傲慢さが破綻を生じたニュースを見ていたのもあって、日本のエリートの問題:真摯な議論を避けて、たこつぼの中からの他者批判でよしとする現状を痛感させられた。

2014/09/14

K_JUN

☆5 学生時代に出会った一冊。「社会で生きていくこと」「正しいことを求めること」。この対立する2つのテーマを高次元で実現させるために、何をどう考えるべきか、そのベースを教えてくれる数少ない名著。学生に読むべき本を聞かれたら、僕はこの本を勧めています。

がっち

知の三部作の末尾。モラルと聞くといまいちよくぱっとしなかったが、この社会のなかでどう生きるのか、そしてどう生きていきたいのか、どうしなければいけないのかを伝えてくれるいい本。内容はすごくいまの自分にとって難しいものだったが、何度も読み直したい本である。次は知の論理で制覇。A

2010/11/05

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