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クジラアタマの王様

クジラアタマの王様

クジラアタマの王様

作家
伊坂幸太郎
出版社
NHK出版
発売日
2019-07-09
ISBN
9784140057063
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「クジラアタマの王様」のおすすめレビュー

「これまでの伊坂作品どれにも属さない《新感覚》」「こういうのが読みたかった!」早くも絶賛の声が集まる小説『クジラアタマの王様』

『クジラアタマの王様』(伊坂幸太郎/NHK出版)

 伊坂幸太郎氏が「長年の夢がようやく叶った」と語る最新小説『クジラアタマの王様』(NHK出版)。「昼間は普通の会社員、夜になるとロールプレイングゲーム内の勇者」という発想を起点に、現実と夢が溶けあっていく不可思議な読み心地にくわえ、挿絵がわりにコミックパート(セリフのないマンガ)が随所に挿入されるという、新しい試みの小説だ。読書メーターにはこんなコメントが寄せられている。

これまでの伊坂作品どれにも属さない、《新感覚》の素晴らしい作品でした。‬いい意味でこれまでの伊坂さんぽさもなく驚き。‬‪まさに「伊坂幸太郎」が、新しい時代に突入した。‬‪たくさんの人に手に取ってもらい、小説の可能性の広がりをぜひ感じ取って欲しいです。(すぐ)‬‬‬‬‬‬‬‬

 だが、これまでの伊坂作品にはない実験的な小説――と思いきや、「これぞ伊坂幸太郎!」と読み終えたあと膝を打たずにはいられない“らしさ”全開なのも本作の魅力だ。『ダ・ヴィンチ』9月号では、池田エライザ、上白石萌音、清原翔という伊坂ファンを公言する注目の若手俳優たち…

2019/8/17

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伊坂幸太郎の真髄、ここにあり! 伏線が回収される爽快感と、理不尽な現実に揺れる感情を『クジラアタマの王様』で描き出す!

『クジラアタマの王様』(伊坂幸太郎/NHK出版)

 これは怒ってもいいことだ、と世間が見定めたときの、怒りのエネルギーはすさまじい。前後の文脈を冷静に見ればそんなに怒るようなことでもなかったり、あるいはあとから真逆の事実が判明して、怒りそのものが筋違いだったりすることもある。けれどその場合、炎上に一役買った人たちの多くは、同じ熱量で火消しには走らない。

「どうしてそんな風に僕たちを叩き潰す言い方ができるのか」と、小説『クジラアタマの王様』(伊坂幸太郎/NHK出版)の主人公・岸は言う。自社製品が炎上し、考えなしの部長が謝罪会見で失言し、対応に奔走するなかマスコミに囲まれた、物語の冒頭だ。

 自分たちにも非はある。完璧な善ではなかったかもしれない。でもどうして、部長の家族も槍玉にあげて、人生のすべてを糾弾する勢いで、責められなくてはいけないのか。そもそも本当の原因もわかっていないのに、とやるせない怒りを抱える岸に、読者は「今作は企業を舞台に、匿名の正義感と対峙する話なのかな」と予想することだろう。間違ってはいない。たしかにそのとおりではあるのだが、それに…

2019/8/6

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「ずっと追い続けてきた小説の可能性――伊坂幸太郎の20年」特集番外編

20年間、変わらない外見 それ以上に変わらない「実験を続ける」作家スタンス

編集 I

 伊坂幸太郎さんのデビュー作の『オーデュボンの祈り』が刊行されたのは、2000年12月。今年2020年は、伊坂さんの20周年イヤーだ。伊坂さんの『ダ・ヴィンチ』初登場は、2001年4月号(3/6売)。『ダ・ヴィンチ』は、毎年の年末号で「来年の隠し球」を各版元に取材するのだが、2000年末に新潮社の新井さんから注目の新人作家として推薦されたのが、伊坂さんだった。年始に『オーデュボンの祈り』を手に取り、その不思議な読み心地に魅かれ、インタビューを申し込んだのだ。

 その後も新作の刊行や映像化のタイミングで取材させていただくことが多かったので、20周年テーマの本特集では、そうしたバックナンバーの記事をベースに伊坂さんにインタビュー、そのときどきの発言を振り返り、現時点から当時の自分を分析してもらった。当該号の写真も掲載しているのだが、伊坂さんの風貌はほとんど変化がない。ヘアスタイルも体型もほぼ変わらず、お好きなファッションもずっと同じなのではと思う。

 でも、同じなのは外見…

2020/7/14

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【「伊坂幸太郎の20年」特集番外編】伊坂作品との出会いで人生が変わったデザイナー・松昭教が語る装幀秘話

インタビュー:松 昭教(bookwall代表)

人気ブックデザイナーとして、数多くの書籍を手掛ける松 昭教さん(bookwall代表)だが、『陽気なギャングが地球を回す』の装丁依頼が舞い込んできたのは、デザイナーとして独立したばかりで、あまりに仕事がなく途方にくれていたときだった。『陽気なギャング~』の作中の言葉に共感し、刺激を受けた松さんは起死回生をかけて装幀に取り組んだ。結果、本作はユーモアあふれるポップなクライムストーリーとも相まって話題を呼び、ベストセラーに。『陽気なギャング~』からスタートしたさまざまな伊坂作品の装幀裏話を訊いた。

伊坂さんの言葉のレトリックは心に響く デザインするうえでも検証や実験を大事にするようになったのは、 伊坂さんの作品に出会えたおかげだと思います

まつ・あきのり●1972年生まれ、奈良県出身。京都精華大学ビジュアルコミュニケーション学科卒業。デザイン事務所勤務を経て独立、2009年にbookwall設立。書籍や雑誌の装幀、エディトリアルデザインを中心に活動。著書に『小さな癒しの世界を楽しむ テラリウム』、まつあ…

2020/7/7

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クジラアタマの王様 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

伊坂 幸太郎は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者ならではのシニカルな企業小説でした。著者の楽天愛が、この小説を書かせていました。著者の小説に坂口安吾の『不連続殺人事件』が登場するとは思いませんでした。イスタンブールからの初レビューでした✈️つづく(^_−)−☆

2019/08/15

鉄之助

マシュマロに画鋲”混入”とのクレームに対応する、お菓子メーカーの宣伝マンが主人公。「会見べからず集」(ですが、だけど、遺憾に思う、前向き、善処する……など禁句)をつくるが、担当部長が会見場に持ってくるのを、何と忘れてしまう。出だしから一気に心をつかまれた。2019年7月の発刊だが、記者会見での炎上や、感染症・パンデミックなど、まるで現在を予言しているような内容だ。本文の間に挟み込まれた川口澄子のコミックパート(吹き出しのない漫画、がまた良かった)も、違和感なくすんなりと面白かった。

2020/07/16

ウッディ

会社の広報担当の岸は、クレームがきっかけで都議の池野内と知り合い、ホテルの火事現場にいたことを言い当てられる。夢の中のRPG世界で猛獣を倒せば、現実世界で危機を脱する、不思議な経験を共有する岸と池野内とヒジリは、新型ウイルスの大流行という危機を乗り越えられたのか?伊坂さんらしい伏線の回収が気持ちよく、漫画が挿入されることで、夢の世界のイメージもつかみやすかったが、ウィルスへの対応が安直で、こんなに簡単にはいかないだろうと、今だからこそ思ってしまいました。不遇の係長の未来の姿にニヤリとしました。

2020/02/20

ごみごみ

「夢の中で勝てば現実が良い方向に変わる」現実と夢の世界がリンクして接点のない3人が次々と事件に遭遇する。偶然か?必然か?とにかくスピード感あふれる展開にどんなラストになるのか全く予想がつかず。さすが伏線の回収はお見事。爽快な読後感。

2019/07/29

bunmei

ハシビロコウを二度ほど見たことがありますが、殆ど動かず、大きな嘴と眼光鋭い目が特徴の大型の奇妙な鳥です。本作は、このハシビロコウが重要なキーとなり、伊坂さんらしい突拍子もない設定で、現実の世界と夢の世界が交錯するパラドックスの世界観が広がる作品となっています。そして、要所に描かれているサイレント・漫画が、物語とリンクして、アクセントとなっています。会社員と議員とアイドルの3人が体験する夢と現実の世界。そこに新型ワクチンを巡る国家ぐるみの陰謀。夢の中で、彼らがその陰謀に立ち向かうファンタジー作品です。

2019/08/30

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