わたしの好きな季語
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わたしの好きな季語 / 感想・レビュー
mint☆
タイトル通り川上弘美さんの好きな96の季語にまつわる短編エッセイ。季語そのものについてや人見知りな日常生活のことなど様々な内容が、川上さんらしい柔らかい文章で綴られ、思わずふふっと笑ってしまいます。普段某テレビ番組でしか俳句に触れることがないのですが、季語の奥深さに、日本語の美しさに触れることができる一冊でもありました。歳時記は俳句だけのものと思っていましたが、私の本棚にも入れておきたいと思いました。
2020/12/14
よつば
タイトル通り川上弘美さんが好きな季語全96をエッセイ形式で編んだ作品。1つの季語で2頁が割かれその季語を使用した俳句が1篇紹介されている。毎週楽しみに観ている「プレバト」の俳句コーナー。季語の豊富さにいつも感嘆しているがこの作品で新たな季語を知り日本語の繊細さに惚れ惚れする。驚いたのは夏の季語だと思っていた「西瓜」「朝顔」が秋の季語だった事。漱石や龍之介、正岡子規、一茶などの俳句も読み応えあり。個人的に好きな季語は物思いに耽る妻の艶っぽさを感じる「夜長妻」ここで一句『夜長妻 図書館本で 超多忙』才能ナシ。
2020/11/29
fwhd8325
言葉一つで季節を感じさせることができる。日本語は深く美しいです。川上さんのエッセイは、時代や景色そして生活の匂いを感じさせてくれます。辞書をめくりながら言葉を発見するように、歳時記は、季節だけでなくその時の思い出をよみがえらせてくれます。
2020/12/27
pohcho
見開き2頁に一つの季語とその季語を使った俳句が紹介されている。「妙な言葉のコレクション」が趣味だという川上さんに私も共感。「蛙の目借時」「千葉笑」「浮いて来い」など、初めて聞く言葉がたくさんあって楽しい。「春愁」「夜半の秋」「淑気」などは素敵だし「絵踏」はちょっと怖い。だいこん、おでん、海苔、わかめなど身近な食べ物も季語とのこと。美味しそうな食べ物とお酒の話題が多くて楽しいけど、濁酒の話にはびっくり(さすが飲んべえ)初秋のカナダでの花野の話が心に残った。少しずつ、何度でも読み返したくなるエッセイ集。
2021/01/14
あやの
季語にまつわる川上さんのエッセイ。織り込まれている俳句もいい。半夏生・探梅・花野など、素敵な言葉に出逢えた。「初がらす鳴くよあしたの雪はれて(室積徂春)」など、いや~なカラスなのに俳句になると高雅な雰囲気になるのが不思議。川上さん、静かで落ち着いた雰囲気がお好きなのだと思う。昔懐かしい食べ物が好きで、人混みとか知らない人との会話とかが苦手なよう。そんな人柄も見えてきて、興味深く読みました。
2021/01/04
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