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ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著)

ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著)

ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著)

作家
島田雅彦
出版社
NHK出版
発売日
2015-05-25
ISBN
9784142230518
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ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著) / 感想・レビュー

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みゃーこ

本書と合わせて放送解説映像などを鑑賞することでドラマチックな読書体験を味わった。本書(テキスト)解説者島田氏(かなりのイケメン)の主観も盛り込まれているのだが共感する部分が多い。前5世紀に書かれた戯曲の中に現在と重ね合わせて考えさせられる部分が多々あることで普遍性を感じる作品であるということを「四つのテーマ」(父殺し)(近親相姦)(自分探し)(捨て子)から抽出し巧みに読者をひきつけるような解説がなされている。

2015/07/05

西

鴻上さんの本で知って興味を持ち、先日は観劇したギリシア悲劇の傑作。紀元前にこんな作品が書かれているということに改めて驚かされる。正直なところストーリーがあまりにも劇的で、どんな解説がされているか期待しすぎたため、ちょっと物足りなかった。テレビ観たかったなあ

2017/04/24

加納恭史

ソポクレスからこのような良書に出会うと嬉しく思う。著者の島田雅彦さんは1961年生まれ。作家で法政大学教授。若いけどなかなか有望な人だな。92年に「彼岸先生」で泉鏡花文学賞など受賞。現在は法政大学国際文化学部教授。この本が取り上げるのはソポクレスが残した最高傑作「オイディプス王」で紀元前五世紀に書かれた。民衆の娯楽として演じられてきた戯曲です。まあ、シェイクスピアより凄いとはまさに驚きです。物語の元型がある。父親殺し、近親相姦、自分探し、捨て子など小説のテーマがすべて盛り込まれている。この戯曲は起承転結。

2022/07/24

かふ

島田雅彦は小説より解説の方が面白いというか、もともと面白い戯曲だから今日まで残っているのだろうね。今日読まれている名作の原型なのだという。フロイトの「エディプス・コンプレックス」の元ネタだものね。父親殺し(権威との闘い)、近親相姦(禁じられた愛)、謎解き(自分のルーツ探し)、捨て子のテーマ(個の確立)。それが起承転結というスタイルを持って物語られる。ホメロスの口承文学からギリシア演劇へ、拡大して対話(弁証法)とコーラス(合唱)になっていく。

2015/06/29

やまはるか

 巻頭に円形劇場の遺跡の大きな写真が載っている。すり鉢状の階段席は三〇段あり、舞台には演者の人影が配されている。青空の下、朗々たる科白が聞こえるようだ。数ページに及ぶ長い科白を演じた役者の力量はどれほどだったろう。この写真を見ただけで「オイディプス王」を読む準備が整った気分になった。口承口伝されていた神話がソポクレスによって文字に記され、荒唐無稽な話が起承転結の構造を備えて物語として成立した。これを書きながらBC5世紀から今日に続く文章表現の普遍性を思った。255字で起承転結はいささか苦しい。

2020/11/09

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