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ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2019年12月 (NHK100分de名著)

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2019年12月 (NHK100分de名著)

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2019年12月 (NHK100分de名著)

作家
亀山郁夫
出版社
NHK出版
発売日
2019-11-25
ISBN
9784142231065
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ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2019年12月 (NHK100分de名著) / 感想・レビュー

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アキ

何度も挫折した「カラマーゾフの兄弟」を来年こそは読み終えたい。最近ドストエフスキーの5大長篇を訳しきった亀山郁夫による2019年のアンコール放送のテキスト。父殺しのテーマを中心に3兄弟を巡る物語。元々全体で二つの小説からなる小説の第一部として構想され、全四部十二編から成り全部で二千ページを超える。父フョードルは、作者と同じ名前。長男ドミートリー、通称ミーチャは奔放な性格、次男イワンは無神論者で、三男アレクセイ、通称アリョーシャは神を信じる純朴な青年。そして料理人スメルジャコフ。サスペンスとしても楽しめる。

2021/12/29

れみ

NHK–Eテレ「100分de名著」のテキスト。テキストを読むだけでもお話は全部わかる、だけど番組見ながらテキストを読んで終わったら「カラマーゾフの兄弟」自体は一生読む機会がないかもしれない…と思って、この超大作に挑戦。この頃のロシアの時代背景、拝金主義などを知り、本編を読むのにとても興味深くためになった。番組での亀山郁夫さんの解説、伊集院さんの素直な感想、津田さんの朗読も、この超大作を読み進めるうえで大きな力になった。

2020/02/03

えみ

いつかじっくり腰を据えて、全集中で読んでみたいと思っていたドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』。同じ著者の『罪と罰』を読んだとき、あまりにも自分がこれまで培ってきたアイデンティティと登場人物たちの思考との隔たりが大きく、ロシア文学の壁にぶつかって理解するには程遠いと敬遠してしまった。ただ最近Eテレ「100分de名著」で本の幅広いジャンルでの楽しみ方を知った為、この機に触れておきたいと手に取った予習の為の解説本。こんな事実、背景が作品に与えた影響…まさかの書かれなかった続編がある?これは、読みたくなる。

2023/11/19

おさむ

亀山先生の新訳を貪るように読んだのは何年前だったか。読みやすく熱のこもった新訳5冊を一気読みしたのを覚えています。第二の小説を独自に構想した新書も読みました。その亀山先生による100分de名著とあらば、観ない訳にはいきません。マニアックなトリビアもたっぷりで、ドストエフスキーフリーク向け。とりわけスメルジャコフの語源であるスメルドは農奴を意味しているという点は、父親殺しというテーゼを考える上で、大きなヒントになります。これから読む人にとっては最適なガイドブックではないでしょうか。

2019/12/09

ころこ

著者のカラマーゾフ論はヌルい感じが否めませんでしたが(愚鈍の絶対に対する差異とは、三島賞を逃した著者の『新カラマーゾフ』です)、本書の文章は見違えるようになっています。3兄弟とも思わず頭に浮かんだことが、現実に大きく跳ね返っている構造が良く分かります。アリョーシャはイワンの子供の虐待の話に怒りを、ミーチャは3千ルーブリを使い果たす頽落とギリギリの一線を守り抜こうとする高潔を、イワンはスメルジャコフの父殺しに使嗾を、それらが物語の要所で効いています。他方で、スメルジャコフは行動の人ということでしょうか。

2019/11/27

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