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NHK 100分 de 名著 三島由紀夫『金閣寺』 2021年5月 (NHK100分de名著)

NHK 100分 de 名著 三島由紀夫『金閣寺』 2021年5月 (NHK100分de名著)

NHK 100分 de 名著 三島由紀夫『金閣寺』 2021年5月 (NHK100分de名著)

作家
平野啓一郎
出版社
NHK出版
発売日
2021-04-23
ISBN
9784142231256
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NHK 100分 de 名著 三島由紀夫『金閣寺』 2021年5月 (NHK100分de名著) / 感想・レビュー

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鉄之助

もう一度『金閣寺』を読んでみたい、と強く思わせてくれた名著ガイドだった。平野啓一郎の”金閣寺愛”がビンビン伝わってくる。実際に見た金閣が、それほど美しいものではなかった! 「心象の金閣」と「現実の金閣」の不一致から、この物語が始まったことが重要だ、との指摘が大いにうなずける。本文中に三島の「創作ノート」の写真があって、鹿苑寺の間取り図が詳細に掲載されていた。そこまで調べてこの作品を書いた三島。まさに、彼の最高傑作だ。

2021/10/10

こーた

番組は毎回たのしく観ているが、テキストははじめて読んだ。テレビはみんなで作って紹介する、というかんじだけど、本になると、講師の先生といっしょに読んでいく、というのがより強く出て、ちょっと趣が異なる。このひとはそう読むのかあ、ならばべつのひとの解釈も知りたい、だから一冊の本を何度でも取り上げてくれてもいいのに、とおもったりもする。いろんな解釈ができるのもまた名著の条件、といえるのだから。ちなみにぼくは平野さんの文章にふれるのもこれがはじめてであった。つぎは小説も読んだみたくなった。

2021/09/02

アキ

平野啓一郎による「金閣寺」論。昭和31(1956)年刊行された三島由紀夫31歳の時の著作。彼が20歳の時終戦を迎え、国体の中身が空虚であったように、金閣を天皇と見立てたのではないかと論じる。全著作中1人称で書かれた作品は、仮面の告白と本作だけ。最後の一文「生きようと思った」をそれは牢屋しかないという狙いだったと小林秀雄との対談で明かす。次作「鏡子の家」でその後の生き方を模索した。1970年45歳で自死する。この小説は、ベトナム戦争後のアメリカ社会を描く映画「タクシー・ドライバー」の脚本家に影響を与えた。

2021/05/26

れみ

NHK-Eテレ「100分de名著」のテキスト。「金閣寺」は何度か読み、お芝居も観に行ったことがあった作品だけど、作者の生涯と関連付けて読んだことはなかったのでとても興味深かった。番組のなかで伊集院さんが、この作品が長く読み続けられていることについて「金閣寺が焼けたという実際の事件と、いま僕らはその後三島がああなった(自決した)ことまで知って読む」ということを言っていたのが印象に残ったし、そうかもなあ…と思った。朗読の山田裕貴さんは最近気になってる役者さんなので楽しめた。放送はあと1回。楽しみ♪

2021/05/20

ぐうぐう

平野啓一郎が解読する『金閣寺』。番組は面白く、三島由紀夫の戦中体験への折り合いを色濃く反映した小説は、三島の戦後の生き方の模索として主人公の苦悩が描かれ、よって金閣寺は天皇の隠喩であると平野が読み解く、なんともスリリングな内容だった。ただ番組を観ていて感じたのは、『金閣寺』ってこんなにロジカルな小説だったっけ、という違和感だった。しかし、番組では語りきれなかった論考を補足した今テキストを読むと、『金閣寺』を初読した時の感触がリアルに蘇ってきた。(つづく)

2021/05/28

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