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流れは、いつか海へと (ハヤカワ・ミステリ 1950)

流れは、いつか海へと (ハヤカワ・ミステリ 1950)

流れは、いつか海へと (ハヤカワ・ミステリ 1950)

作家
ウォルター・モズリイ
田村義進
出版社
早川書房
発売日
2019-12-04
ISBN
9784150019501
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流れは、いつか海へと (ハヤカワ・ミステリ 1950) / 感想・レビュー

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アン

主人公ジョー・オリヴァーは、罠にはめられ、ニューヨーク市警を追われた黒人の私立探偵。彼が受けた依頼は、警察官を射殺し死刑を宣告された活動家でジャーナリストでもある黒人男性の無実の証明です。自分の過去の濡れ衣を着せられた事件と現在の冤罪事件。オリヴァーはどう立ち向かうのでしょうか…。渦巻く陰謀と立ちはだかる権力。味方となる登場人物たちが魅力的で、彼が選んだ相棒の元犯罪者メルカルトは特に強烈な存在感があり、お互いの信頼が印象に残ります。タイトルも哀愁がにじみ素敵です。2019年エドガー賞受賞作品。

2020/02/17

のぶ

良く出来たハードボイルド小説だった。主人公はジョー・オリヴァー。現在は私立探偵をしているが、元は身に覚えのない罪を着せられて、ニューヨーク市警を馘になった刑事。ある時、警察官を射殺した罪で死刑判決を受けた、黒人ジャーナリストの冤罪を晴らしてほしいと依頼を受ける。自分と同じような境遇に共感したジョーは調査を開始する。依頼の仕事と合わせて自分の潔白も晴らすべく、正義をもって闘いつづける。それ程長くはないが、ハードボイルドらしい締まった文章で、真相を追う姿に心を打つ。読後の余韻に浸っていたい作品だった。

2020/02/20

ずっきん

嵌められ、レイプ犯として警察を追われたあげく10年やさぐれている私立探偵が、警官殺しで死刑判決を受けた人権活動家のための調査を引き受ける。失われた名誉を取り戻すことはできるのか。物語は抑揚なくずっしりと重く進んでいく。脳内BGMはずっとセロニアス・モンクな渋さ。この空気が超好み。なんてったって主人公のヘタレ中年ジョーが徐々に息を吹き返し、変貌していく姿がたまらん。ジワジワくる。うーん、なんでだろう。この良さを上手く言葉にできないな。とにかくものすごく好きだ。登場人物が多いので一気読み推奨。

2020/01/12

キムチ27

ほぼ翻訳もの中心の読書でも、登場人物の多彩ぶりに辟易し、何とも疲れてしまった。とは言うものの、さすが米 正当ノワールの逸品。面白さ 抜群のお薦めモノ。内容はよくある?社会悪、それも正義を守るとは名ばかりの形骸と化しつつある警察。濡れ衣を課せられたことから10数年うだつが上がらぬ中年と化した黒人私立探偵。孤軍奮闘の闘いは背後に犯罪人やらメガトン級売春婦など援護も多彩。この5月、ミネソタで起こったフロイド氏の「警察官による殺人」が記憶に新しい事もあり、読み終えても不消化な部分が多く、もやもや感立ち込めた読後

2020/10/26

アキ

ノワール小説を堪能した。ジョー・キング・オリバーは元警官。性犯罪の濡れ衣で服役し、消されるところを保釈された。妻とも別れ、何より大切な娘エイジアを助手にして私立探偵をしている。エーカーズ下院議員のスキャンダルを調査している際に元妻とその夫が関わっていることがわかる。そこへウイラ・ポートマンという新人弁護士が死刑囚A・フリー・マンの犯した殺人事件を調べてほしいと依頼がある。自分を陥れた黒幕とマンの事件を探っていく内、警察の闇が見えてくる。NYの裏社会とクセのある登場人物とのやり取りがクール。よくできた小説。

2020/01/13

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