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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

作家
フィリップ・K・ディック
土井宏明
浅倉久志
出版社
早川書房
発売日
1977-03-01
ISBN
9784150102296
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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229)) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

冒頭から結語に至るまで、一貫して展開される終末世界に圧倒され、呑み込まれる。これほどの読書体験は、年間にもそれほど得られるものではない。最初はアイデンティティが問われているのかと思ったが、テーマは一層の深層にあるようだ。一方には生命への根源的な問いがあり、また一方にはどこまでも得られない、そしてそうであるからこそ渇仰される愛への痛切で哀切なまでの希求がある。そうだ。生きていることはそれ自体で奇跡的なことであり、同時に存在すること、それ自体で哀しみを背負うことだ。終わり近くの蜘蛛のエピソードは絶妙だった。

2015/11/09

ヴェルナーの日記

いわずと知れた映画『ブレードランナー』の原作となる一冊。著者ディックの世界観は、概ね共通したパターンがあって、第3次世界大戦後の世界という設定である。地球は核の嵐に襲われ、地表の大半を放射能にさらされた。殆ど雲に覆われて酸性雨が常に降っている。大半の生命は失われて人工物へと代わり、人類は厭世観に捕らわれ、徐々に絶滅へと向かう。そんな退廃した世界で人間は、どう生きるのか?絶望の先に何かあるのだろうか?救いはあるのか?と、それでも生きることへの希望を捨て去ることの出来ない人類の苦しみがテーマになっている。

2014/08/30

青乃108号

「ブレードランナー」は初公開時に劇場で観てその圧倒的ビジュアルにびっくり仰天した。原作はこの度初読。映画版とは色々異なり、共通するのは登場人物名(アンドロイド名)と主人公がお尋ね者のアンドロイド達を狩ってゆく、という大まかなストーリーの骨子だけ。映画版はかなり削ぎ落とされシンプルに解りやすい物だったが、原作はごちゃごちゃとかなりの要素が詰め込まれている。終盤は哲学的場面描写が多く難解であり、多分こんな事を言いたいんじゃないかな、と思いつつ読み終えたが違っていたら恥ずかしいのでここには書けやしない。

2023/05/22

ソルティ

読みやすく情景も想像しやすいし好きな雰囲気だが、言いたいことが分からない。主人公リックが色々思考するが、まず表現的に難解だし、二転三転する。レイチェルとホテルに行った時のするのしないの連れて行くの行かないの殺すの殺さないの、はっきりしろ!この2人振り回しすぎ(笑)。残ったアンドロイド3人も自己中だから振り回す種族なのかね?タイトルの意味もだし、解説やネタバレサイト見た感じ、機械と人間に対する問題提起なのかな?「「(略)まったく妙な話しさ。ときには、正しいことよりまちがったことをするほうがいい場合もある」」

2021/07/02

mae.dat

コンピュータの黎明期に著された、近未来を描いたSF。当時想像された未来像と、現実とのギャップも面白いね。今から見る未来像としてもワクワク感がありますスゴイ。ただ時間は追い越してしまっていているからさ、年号が出てきたら自動的に75年加算する脳内プロセスが走ります。この未来に到達する迄、まだまだ課題は多いな。ただこっちの電話(通信)は正当進化を遂げているかも。と言うか、あっちはコンピュータ文明に発展していない感じ。それにアンドロイドのソフト仕様は兎も角、ハード仕様が思っているのと随分違ってね。気になります。

2024/01/25

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