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虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)

虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)

虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)

作家
アルフレッド・ベスター
寺田克也
中田耕治
出版社
早川書房
発売日
2008-02-22
ISBN
9784150116347
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虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

1956年の作品なので、SFとしては古典的な部類に属するだろうか。内容も、展開も、訳文の文体もなんだか冒険活劇めいていて、その限りでは往年のスペースオペラの残像を見るかのようだ。そもそもが『モンテクリス伯』に触発されて書かれたらしい。したがって、プロットの根幹は復讐劇なのだが、宇宙での遭難時に助けを求めたのに無視されたというのがその理由であり、なんだか子どもっぽさが否めない。また、本書のSFとしてのアイディアの根幹となるのは"ジョウント"なのだが、私にはこれ自体がそれほど画期的なものには感じられなかった。

2022/04/15

徒花

読んでなかったSF名作。ジョウントというテレポーテーションが一般化し、惑星感戦争が行われている未来で、宇宙に遭難して見殺しにされた男が復讐を遂げるために行動を起こす物語。監訳者解説にもあったが、モンテ・クリスト伯をオマージュしてるっぽい。舞台設定は最高だし、物語もテンポよく進むので読みやすい。ただし最後は結構ぶっ飛んでくる。これはこれでエンタメSFっぽくて嫌いじゃない。良作。

2020/03/29

ケイ

復讐劇というところは、確かに『巌窟王』を彷彿とさせる。なぜ?なぜだ!という主人公の激しい怒りは理解できる範疇を超えてしまっているし、ジョウントを皆出来るのであれば、様々な前提を変えなければストーリーの背景として何かおかしい気もしながら読んでいた。主人公とともに理由を知りたい気持ちから先へとどんどんページを進めていって、結末でうなる。説得されきれず、消化不良。個人的にSFは好みでないので感想が辛口になってしまうが、例えば3時間ほどの電車の供にはぴったりだと思う。

2017/05/21

まふ

25世紀の宇宙。11兆もの人間が太陽系の三つの惑星と8つの衛星群に別れて住み、さらに精神感応移動(テレポーテイション)の実用化に伴い、新たなフロンティアを目指して急速な人間世界の膨張が実現した。という前提の下、主人公のガリヴァー・フォイルが彼を放出した宇宙船<ヴォーガ>の行方と放出の理由を探る…というのが大まかなストーリー。宇宙らしいいろいろな不思議な現象もあり、恋も裏切りもあって西部劇のような活躍ぶりであり、エンターテインメントとしては充実している。「夢を見た」ような読後感だった。G1000。

2023/09/06

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

死を待っていた凡庸な航海士は、わずか5秒で復讐に生きる野獣になった。座礁した宇宙船に独り残された男は、奇跡的に別の宇宙船との通信に成功するが、その船は彼を見捨てて通り過ぎてしまう。怒りが絶望を凌駕し彼は死の淵から蘇る。救いの手を差しのべた人々を裏切り、顔には恐ろしい傷跡を刻んで……。テレポーテーションが普及し惑星間の争いが頻発する25世紀を舞台に描かれる壮大な復讐譚。題名はウイリアム・ブレイクの詩の一節から採られ、デュマの『モンテ・クリスト伯』がモチーフになっているという。1956年発表のSFの金字塔。

2016/05/13

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