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華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)

華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)

華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)

作家
レイ・ブラッドベリ
伊藤典夫
出版社
早川書房
発売日
2014-04-24
ISBN
9784150119553
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「華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)」のおすすめレビュー

本好きでなくても文句なく感動! 大火災で蔵書110万冊が焼けた図書館の復活ドキュメント

『炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火』(スーザン・オーリアン:著、羽田詩津子:訳/早川書房)

“いらない本や、すっかりくたびれてもう読めないほど傷んだ本でも手放せなかった。捨てようと思って積み上げておいても、いざ捨てようとするとできないのだ。人にあげるか、寄付できればよかったが、どんなに努力してもゴミ箱に本を捨てることはできなかった”

 この文章に少なからず共感できる人ならば、『炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火』(スーザン・オーリアン:著、羽田詩津子:訳/早川書房)を興味深く読むことができるだろう。あるいは、

“わたしは図書館で大きくなった。というか、少なくともそういう気がしている”

 という文章に共感できる人も、本書をおもしろく読めるはずだ。

 この本は、1986年4月29日に発生し、蔵書40万冊が焼け、70万冊が損傷した「ロサンゼルス中央図書館の大火災」という、本好きだとしても日本人にはあまりなじみのなかった事件を扱ったものだ。今までこの事件を知らなかったとしても、本書には著者の、本と図書館という施設への愛が全編を通して横溢しており、そこに…

2019/11/29

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華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

本を焼く男モンターグの 心の動きが印象に残る。 1953年に書かれた本書は アメリカで吹き荒れた 反共産主義運動マッカーシズム に抗議して書かれたそうである。 都合の悪い本を禁ずると いう悪施策は、本という 知の集約を人々から 遠ざけることになる、 という真実を、近未来の 世界という形で著者は 上手に描いている。

2015/10/03

徒花

じつは読んでなかった名作。華氏451度というのは紙に引火して燃えはじめる温度のことらしく、本を読むのが禁止された未来を舞台に、書物を隠匿する人々の家に火を付ける仕事に就いている主人公が、やがて本の魅力に取り憑かれていくという読書好機の心をくすぐる物語。全体は三部構成になっていて、SFとはいうものの科学的な考察などはあまりなく、物語もわりとひねくれずに進んでいくので読みやすい。メディアがあふれる時代を風刺する文章は説得力がある。おもしろい。

2019/10/05

naoudo

華氏451度この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。モンターグは書物を焼き尽くす昇火士のひとりだった。そして風変りな少女に出会い人生が変わる。退職した英文学者フェーバーは言う。この一枚の紙の一インチ四方あたりの毛穴の数が多ければ多いほど、誠実に記された命の詳細な記録がより多く得られ、読んだものはより「文学的」になる。なんにせよ、それがわたしの定義でね。細部を語れ。生き生きとした細部を。すぐれた作家はいくたびも命にふれる。凡庸な作家はさらりと表面をなでるだけ。悪しき作家は蹂躙し、蠅がたかるにまかせるだけ。

2018/11/08

パトラッシュ

『1984年』の主人公は歴史記録の改竄が仕事だが、『華氏451度』では本を焼く。「偉大な兄弟」と党の怖さに比べ、こちらは政治体制が描写されていない。英国的な階級支配とアメリカ的反知性主義の差かもしれないが、どちらで描かれた世界も国民を強権支配する中国やロシア、北朝鮮と、国民を分断して寛容さを失わせようとするトランプ流政治という形で21世紀世界に現出している。数年違いで現れた両作は国際政治のおぞましさと容易に流されやすい人間性の弱さを容赦なく描き出す。優れた文学作品は決して古びないという見本を示してくれる。

アルビレオ@海峡の街

やっぱりブラッドベリは苦手だ。詩的な文章が特に。でも何故か彼の本を手にとってしまう。読書が禁止されメディアによって情報が支配される世界は、私たち本が好きな者からすれば実に恐ろしい未来の姿である。現在でも書籍や音楽、映像がどんどんデータ化され、手に触れる事のできない不確かなモノに変わりつつある。便利さと引き換えに何かを失ってはいないか、考えさせられる作品。

2016/10/26

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