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愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)

愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)

愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)

作家
原りょう
出版社
早川書房
発売日
2007-12-15
ISBN
9784150309121
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ジャンル

愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7) / 感想・レビュー

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W-G

沢崎シリーズは作品の順位付けがむずかしい。ミステリ面でのプロットの出来にはあまりバラツキがなく、心に刺さる文章や台詞がどれほどあったかで愛着の度合いが変わるからだ。そんな中、今作は最も事件の構造が練られており、頁を繰るごとに展開も多く、第二期始動を謳うにふさわしい色調の違いを出せたのではないか。名脇役たちの登場を抑えたことも微妙なテイストの変化に一役買う。気になるのは、作中の沢崎はサザエさん方式で歳をとらない前提なのか、それとももう五十代中盤で、次作『それまでの明日』では還暦を迎えている解釈でいいのか…。

2023/06/21

KAZOO

13年前に出版されていたのですね。沢崎シリーズはもう終了だと思っていたのですが。新シリーズとして出されたようですがこの1冊でその後書かれてはいません。読んでいて文体が懐かしくなりました。やはりチャンドラーの影響を受けていることがよくわかります。密度の濃い文章で私はかなり好きな方です。単純だと思われていた狙撃事件からかなり大きな話に展開していく様子が私には久しぶりに楽しめました。

2017/11/17

アッシュ姉

大好きなシリーズ五冊目。ゆっくりと味わって、じっくり堪能した。会話がいちいち洒落ていて、独り言まで皮肉が効いて格好いいってどういうこと~。どこまで私を夢中にさせるの、探偵さん。やはり不動のナンバーワンの男(同率一位が三人いるのは内緒)。狙撃と誘拐、二つの事件が複雑に絡み合い、関係者や警察そして読者が翻弄されるなか、沢崎にだけ真相が見えている。パソコンや携帯に頼らない昔ながらの手法にして超A級探偵。 必要以上の報酬を受け取らないところがらしくて格好いい。➡

2020/04/13

chiru

事務所を訪れた若い女性は、父の無実を証明してほしいという。 誰よりも人間味がある沢崎が、誰にでも距離を置くのはなぜなんだろう。 警察と暴力団の間を転がるストーリーもハラハラさせるけど、それを一人で解決してしまう反権力の沢崎の人生をもっと知りたくて、読みたくなるのかも。『若い女性の親切を受けるのが礼儀か辞退するのが礼儀かわからなかった』って言うところは今までになく、意外で可愛かったです。 ★3

2018/02/23

papako

沢崎シリーズ。お、さらに7年経った?ブルーバードも世代交代したのか。と感慨深い出だし。ヤクザの報復なのか、警察署でおきた銃撃事件。複数の事件が絡みあう。それぞれ単純に見えた事件が、もつれ合い押し合いへし合い。結局は沢崎によってほぐれて明らかになる。しかし人の『弱み』を握るだけで政治が動くのか?人身掌握できるのか?大きな2つの事件、どちらも『弱み』を握った男の自死で幕を下ろした。毬子さん、佑実子さんが幸せになれますように。矢島弁護士の沢崎を評した『平静な人間』という言葉が全てを表してくれた。大満足。

2018/03/25

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