KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

トマト・ゲーム (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-6)

トマト・ゲーム (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-6)

トマト・ゲーム (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-6)

作家
皆川博子
出版社
早川書房
発売日
2015-06-04
ISBN
9784150311971
amazonで購入する Kindle版を購入する

トマト・ゲーム (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-6) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

みっちゃん

凄まじい。残虐性、狂気、情欲、そして悲しみも。仄暗い情念の渦に巻き込まれ、どんどん消耗していくのを感じるのだが、頁をめくる手を止められなかった。「私は大丈夫なのだろうか」不安でいっぱいになるが、全く自信がない。こんな小説、40年も前に書いてたのか。すごい。

2016/03/31

文庫フリーク@灯れ松明の火

帯に踊る「皆川博子がいかに『最初から完成された作家』であったかを、ぜひ確かめていただきたいと思う」の文字。およそ40年以上前に執筆された短編8編。小説現代新人賞「アルカディアの夏」(初出73年)が、皆川さんの持つポテンシャルの高さに与えられた賞とすれば、「遠い炎」(初出75年)「花冠と氷の剣」(初出76年)は僅か2~3年の歳月がもたらした完成度の高さに、格段の差を感じる。『薔薇密室』の【美しき劣等体】想起させるフェンシング部・和重の左手。猟奇的でありながら昏い諧謔味感じる「獣舎のスキャット」最も好みは→続

2015/07/27

優希

愛と狂気に包まれ、全体的に病んでいますが、美しい短編集でした。濃密な空気が体にまとわりつくほどじっとりとしていて、息苦しさを感じました。鬱々としていて、胸焼けがするような余韻が残ります。綺麗でないもの、醜いものを抉り出される感覚に陥るのに夢中になって貪ってしまいます。淫靡でエロチックな世界に触れるのはまさに危険。それでも読まずにいられない魅力を感じずにはいられません。皆川博子の世界に毒されているのに心地よく酔い仕入れているのでしょう。

2015/09/14

勇波

まず本書に収録されている8つの物語が70年代に世に出されたという事に驚きです。当時この皆川先生独特の「狂気」を読んだ人達がどう反応したのか非常に気になります。『アルカディアの夏』が一番お気に入り。最後の『漕げよマイケル』も推理要素と狂気世界が融合し最高です。華麗な狂気に圧倒されたい方には超オススメです★

2015/10/24

青蓮

「トマト・ゲーム」「アルカディアの夏」「獣舎のスキャット」「蜜の犬」「アイデースの館」「遠い炎」「花冠と氷の剣」「漕げよマイケル」短編8編収録。どの作品も面白くて一気読みでした。「獣舎~」と「蜜の犬」は別の本で読了していましたが、改めて読むと酷く不健康で毒々しい。でもこの手の作品は大好物です。「華麗な狂気の世界」をもっと見せて欲しい。

2015/06/11

感想・レビューをもっと見る