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ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)

作家
宮内悠介
與座巧
みやうち ゆうすけ
出版社
早川書房
発売日
2015-08-21
ISBN
9784150312008
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あらすじ

ヨハネスブルグに住む戦災孤児のスティーブとシェリルは、見捨てられた耐久試験場で何年も落下を続ける日本製のホビーロボット・DX9の一体を捕獲しようとするが──泥沼の内戦が続くアフリカの果てで、生き延びる道を模索する少年少女の行く末を描いた表題作、9・11テロの悪夢が甦る「ロワーサイドの幽霊たち」、アフガニスタンを放浪する日本人が"密室殺人"の謎を追う「ジャララバードの兵士たち」など、国境を超えて普及した日本製の玩具人形を媒介に人間の業と本質に迫り、国家・民族・宗教・戦争・言語の意味を問い直す連作5篇。才気煥発の新鋭作家による第2短篇集。 解説/大森望

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA) / 感想・レビュー

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おかむー

既読の『盤上の夜』の作家さんだと知ったのは読み終えてから。気づいてみれば全体に難解な作風がなるほどな感触ですね。『もうすこしです』。南ア、9.11、中近東の紛争を題材に、DX9というアンドロイドを共通のギミックとして哲学的なよういて、結局なにを言いたいのか俺の読解力ではどうも掴みきれなかった連作短編。少女型アンドロイドであるDX9がビルから落下するというイメージと、作中の登場人物が少しづつ繋がっている手法が特徴とはいえるけれど、本質的に「何を語りたいのか」が根底のどこかにあるようでいて見えてこない。

2016/05/29

S

少女ロボットDXの存在を軸としたSF短編集。荒廃し、混沌とした社会を舞台に、乾いた砂塵が終始舞い上がっているような筆致が印象的。民族も人種も多様性があるなかで、どの物語にも神、あるいは信仰が人々の中に生き続けているのが興味深い。科学が進歩し、豊かな生活を送っている現代人でさえも、神の存在は完全には消せない。明日生きるか死ぬかの日常を生きるのであれば尚のこと、たとえ犯罪者であっても神は必要なのかもしれない。表題作に登場するカマキリの話は味わい深く、南アフリカの民話にも興味が湧いた。

2017/12/09

翔亀

DX9なる人型ロボットの大群が夕立のように降ってくる、というSF好きならば何だこれは、とわくわくせざるを得ない印象的なシーンで5つの短編をつないだ連作集だが、その舞台設定に驚く。まずは南アフリカの近未来の紛争におけるマンデラ二世、続いてNYの世界貿易センタービル(9.11)の再現、さらにアフガンとイエメンとくる。こうした各地で現に続いている民族紛争と地続きの近未来の戦争に「(戦争という)虚無に抗う虚無」だとしても赴く日本人青年が、最終編で北東京の"団地"に戻ってくる。こうして今、ここの日本も地続きである↓

2017/01/26

絹恵

人間ではないものを、人間のように認識するのは、息苦しくなるくらいに意思を感じ取れたからだと思います。言葉を超えるものが歌だとするのなら、それはまるで伊藤計劃氏に捧ぐ愛の歌のようであり、そして聞こえるはずのない息遣いが聞こえて、たったひとりの愛する人におくる子守歌のように、この先も歌は降り積もっていくと信じたい。どこにもいない彼女と出逢って、どこにもいられなかった彼らが存在できたように。(勝手なイメージで流れていたのは『ODDS&ENDS』でした。)

2015/11/03

hanchyan

とてもとてもとても面白かった。「意思の疎通」てホムンクルスとか錬金術レベルの見果てぬ夢だと実は個人的には思ってて、だからこそその「奇跡」を顕現させんとする虚構にはヨワイ。あと、常々若い世代は大変だなあとも感じてい、近未来ではその大変さは加速してるだろうとも。その二項目を(しかも自分の想像の遥か上のハードルで)飛び越えて見せる、みせる…!という意思を感じさせられれば、おっさんとしてはただただ鼻の奥をツンとさせるのみ(笑)。次代を担う若人括りで梓崎優「叫びと祈り」と比較して見つめる先の違いが興味深くもある。

2016/06/16

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