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カーリーの歌 (ハヤカワ文庫 NV 477 モダンホラー・セレクション)

カーリーの歌 (ハヤカワ文庫 NV 477 モダンホラー・セレクション)

カーリーの歌 (ハヤカワ文庫 NV 477 モダンホラー・セレクション)

作家
ダン・シモンズ
柿沼瑛子
出版社
早川書房
発売日
1988-01-01
ISBN
9784150404772
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カーリーの歌 (ハヤカワ文庫 NV 477 モダンホラー・セレクション) / 感想・レビュー

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ちえ

以前読んだ「カルカッタの殺人」でカルカッタの街に興味が出たことでこちらを見つけました。どこまでリアルなのかという街の描写+世界幻想文学大賞受賞作という事で、幻想的でかなりグロテスクな内容。途中、これはいくらなんでもというほどショックな…でもこれがリアルかもしれない…とも思わされ怖いです。カーリー狂信者の集団は実際に過去に存在したそうですが、カーリー神信者でなくても破壊と暴力を礼賛する集団は今も世界のあちこちに存在することは事実。最後はどうなるのかとびくびくでしたが希望もある。選択するのは一人一人。

2020/07/12

いっくん

記憶に無いけど再読。死んだはずの大詩人M・ダース。しかも、新作まで書いている。新作を手に入れるべく、詩人ルーザックがカルカッタに飛ぶ。インドには行った事がないので、自由に想像してのめり込んでしまった。怪しいカーリーの世界が恐ろしくもあり、興味もありで。手で目隠しして、指の隙間から覗いてる感じ。クリシュナが語る、ムクタナンダジの物語、陶酔して電車乗り過ごしてしまった(笑)暴力で支配されたカーパーリカ、入会の儀式。生贄の死体は…。久しぶりに楽しめました(^_^*)

2016/08/06

ハルバル

失踪したインドの大詩人の新作を求めてカルカッタにやってきたアメリカ人が遭遇するのは、カルカッタの汚濁とカーリーの狂気だった。作中のカーリー狂信者集団はサギーといって過去に実在しており、イギリス政府によって壊滅させられたそうですが、現代でも似たような集団が密かに暗躍しているという設定です。西欧人がインドの風習などを偏見混じりに作品にしたといえばキプリングが思い浮かびますが、途中そうした部分があって「またか」と思ったが、最後にはカーリーの歌に代表される暴力は世界中に広まりつつあると物語は閉められます。

2017/03/09

サワ

読んでる最中は、先が気になってはらはらして、最後は希望を感じさせる終わり方で全体を通して安心してたのしめた。主人公が経験したことが一体何だったのかは説明されないままだけど、暑気と湿気がよどむインドの描写が強烈でこの先も度々思い出しそう。

2014/07/16

MADAKI

【暴力の歌に対抗する希望の響き】インドの旧首都カルカッタを訪れた米国人夫婦とその娘を襲う、死と暴力の女神「カーリー」信奉者の陰謀。単にカルト教団ものサスペンスとしなかった点は賛否あると思うが、個人的には高く評価したい。世界には、人々が流されがちな暴力への礼賛(=カーリーの歌)が確かにある。しかし、希望もある(「この世には歌われるべき別の歌があるのだ」)という一文で物語は締めくくられる。中国による香港への統制、米国の黒人デモ、暴力への欲求に対抗するという普遍的なテーマをこの本は取り上げている。

2020/06/29

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