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〈脳と文明〉の暗号: 言語と音楽、驚異の起源 (ハヤカワ文庫NF)

〈脳と文明〉の暗号: 言語と音楽、驚異の起源 (ハヤカワ文庫NF)

〈脳と文明〉の暗号: 言語と音楽、驚異の起源 (ハヤカワ文庫NF)

作家
マーク・チャンギージー
伊藤亜紗
中山 宥
出版社
早川書房
発売日
2020-12-03
ISBN
9784150505660
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〈脳と文明〉の暗号: 言語と音楽、驚異の起源 (ハヤカワ文庫NF) / 感想・レビュー

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zoe

目が赤と緑に敏感なのは、皮膚の下の血の状態を見極めるため。音は、動き。耳に届くドップラー効果を分析し、周囲の動きを感知することで、進化したのでは。音の大きさは、近さ。ぶつかった後に、滑り音が来る。自然の力を利用する。

2021/10/21

Bartleby

言語や音楽は、脳にそなわる認知能力を利用しながら進化したというのが著者の仮説。音楽は人間のたてる動作音やドップラー効果をその土台にもつ、という仮説を展開するのが本書だ。ドップラー効果とメロディとの類比関係は面白かったが、人間の動作やリズムと音高の関係は当たり前すぎる内容でちょっと拍子抜け。あれだけのデータを集めて示す必要があったのか。もっとも、自分が何が読み落としている可能性もあるけどたぶん違う。ともあれ、語り口がユーモラスでそこは楽しく読めた。

2023/04/28

harukawani

ヒトの視覚の驚嘆すべき能力についての仮説で鳥肌が立つような知的興奮を味わわせてくれた『ヒトの目、驚異の進化』の作者が、ヒトの”聴覚”に挑んだ今作。『目』ほどの衝撃が無いのは、やはり聴覚より視覚の方が”分かりやすい”からか。文字(視覚)や話し言葉(聴覚)は、人間が進化の過程で獲得した能力ではない。元々あった脳の機能を転用したにすぎず、文字も話し言葉も音楽も、自然を模倣したものだと作者は言う。そして積み上げられていく数々の証拠。『目』がどんでん返しミステリなら、今作は地道な捜査を描く警察小説か。→

2020/12/08

Tenco

人間が発する声は固体の物理的な事象(ぶつかる・すべる・鳴る)が元になっており、奏でる音楽は人の動作音(本書によれば歩行する際に生じる音)を模倣している。また、著者の前作『ヒトの目、驚異の進化』では、文字は自然界に存在する物体を模していると論じていた。共通しているのは、脳の最上位レベルである「意識」は、「文字の羅列」や「旋律」だけを捉え、文化的な淘汰により隠れてしまった自然の痕跡は認識できないということだ。ヒトが文章や音楽を楽しめるのは、

2020/12/13

茶幸才斎

ヒトが言語と音楽を操る能力は、脳が獲得した新機能ではなく従来機能の転用ではないか。聴覚が捉える自然界の音の模倣が言語を生み、移動する人が立てる物音が音楽を生んだ、そして両者は、ヒトの脳機能の制約が淘汰圧となり今の姿に〝進化〟したと筆者は主張する。言語はともかく、音楽の起源はもっと高度な何かだと思う。うちの息子は(サバン症候群ではないが、)初めて聴いた曲のサビのメロディーと歌詞を1回で覚える。私は、音楽は脳が自然界の音の中にパターンを抽出しようとする性質に由来すると思う。ちなみに歌の起源は、あくびだと思う。

2023/02/25

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