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五匹の子豚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-21)

五匹の子豚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-21)

五匹の子豚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-21)

作家
アガサ・クリスティー
桑原 千恵子
出版社
早川書房
発売日
1977-02-01
ISBN
9784150700218
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五匹の子豚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-21) / 感想・レビュー

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はんげつ

クリスティー版『フォックス家の殺人』とでもいうべき(クイーンの方が後ですけど)、過去の事件を調べなおすタイプのミステリです。五匹の子豚(=容疑者)が登場し、彼らの証言・手記の心理面から展開されるポアロの推理はしっかりロジカルで、たどっていく道筋が意外さに満ちているところもさすがです。偽の真相を成す要素に異なる意味が与えられることで真の絵が見えてくるのですが、それが当初考えられていたものからほんの少しズラしただけの相似形であったことに何よりも驚きました。よかったです。

2019/08/05

qoop

解決済みだと誰もが思っていた過去の事件を遡って真相を解き明かすポワロ。事件の構成・トリック・物語の構造など、本作のトピックはどれも小ぶりで強烈な訴求力はないものの、登場人物の豊かな個性で読まされる。確かに全員が定型の人物造形を外れてはいない嫌いはあるものの、それゆえにデフォルトの強みというべきしっかりと力強い描写に浸れるし、引き込まれる。舞台も鮮やかにイメージでき、英国ミステリの詩情が感じられてこたえられない。

2019/03/13

madhatter

再読。所謂「過去の殺人」ものなので、物証自体はあまり意味をなさない。故に、合わない向きには本当に合わない作品だろうと思う。但し、クリスティらしさは十分に堪能できる作品。個人的には、登場人物は全て多かれ少なかれ、自身の人生哲学に復讐されているという印象を受けた。特に犯人は、殺人という行為によって、自らの主張全てを否定したことになる。他者に要求したことを、犯人自身は実践できなかった。最後に犯人は「自らの死」を語るが、それは大切な人を失ったためというばかりではなかったのだろう。

2011/11/13

謡子

これは納得の面白さ。文章がちょっとロマンチックでつらかったけど恋愛ものだから仕方ない(のか?)。「藪の中」、アガサならどうやって解決篇出したろうな…と思いながら読む。5匹の子豚をくちずさむポアロがなんかおもろかしい。マザーグース、無理に出さなくても^^  そして赤背で…と書こうとしてβ版で他の形式が選べるようになってたのにビックリ。(けど、感想は別々なのね)(おつかれさまです)

2022/11/12

Jimmy

これこそザ・クリスティ!過去の犯罪をたどるというジャンルのスタートらしいが、プロットは単純にしても、5匹目の妹のインタビューは感動すら覚える。そしてオチも抜群。犯人として死んでいった姉がなぜああした態度を撮り続けたのかは途中で推測できたが、真犯人にはたどり着けなかったです、これが考えてみると簡単なのに。これがクリスティの凄さです。

2021/01/17

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