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水底【みなそこ】の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-17)

水底【みなそこ】の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-17)

水底【みなそこ】の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-17)

作家
レイモンド・チャンドラー
村上春樹
出版社
早川書房
発売日
2020-01-09
ISBN
9784150704674
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水底【みなそこ】の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-17) / 感想・レビュー

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セウテス

【私立探偵フィリップ・マーロウ】シリーズ第4弾〔再読〕。マーロウはある富豪から、家を出た妻を探し出して欲しいと依頼される。行方を追って辿り着いた街で、彼は湖に沈んだ女性の遺体を発見する。謎の設定はたいへん素晴らしく、細部にまで楽しめる工夫を感じる。謎解きが都合良すぎるきらいは在ると思うが、それよりも匂いを色んな場面の演出に使うのは面白い。私も何かと匂いを嗅いで仕舞う方だが、葉巻だけでなく様々な匂いを描いているのは興味深い。只、学生時の読書と違い、マーロウが注意不足に感じてしまうのは、年齢からなのだろうか。

2022/04/06

まつうら

清水訳では「男に輪をくぐらせることのできる女」と称される悪女、ミルドレッド。こちらの村上訳でもつぎつぎと男を手玉にとり、邪魔になったと思いきや、ためらいもなく殺していく冷酷さは恐ろしい。そして、デガルモ刑事がこんな悪女を愛してしまったことから愛憎劇がはじまり、マーロウを含めてたくさんの人を巻き込んでしまった。もしミルドレッドを愛することがなかったら、デガルモはもっとスマートに立ち回れたかもしれない。ミルドレッドに操られていただけで、本当は悪い男ではないと思っているよ、デガルモ君。ちょっと不憫だけれど。

2023/05/29

k5

高校生くらいの時に清水俊二訳で読んだと思うんですが、ずいぶん印象が違いました。とはいえどこがどうという記憶は曖昧かも。村上春樹のあとがきにもありますが、マーロウがニュートラルでキザなセリフをあまり吐かないので、記憶に残りづらい感じでしょうか。清水訳でもう一回読みたいです。

2023/05/20

tokko

あっという間に読み終えてしまいました。トリックは今ひとつなので純粋なミステリとして読まない方がよいです。(まぁシリーズ全体がだいたいにおいてそうですが)きっとその辺りのどんくささが、村上さんが翻訳を後回しにした原因なんでしょうが。もちろんマーロウの気の利いたセリフやタフな振る舞いは健在です。そういうカッコいい探偵物語を楽しむためにはもってこいです。結末はちょっと、う〜ん…という感じです。

2020/01/27

Shun

チャンドラーの長編4作目にあたる作品を村上春樹版の新訳で。旧訳の方は未読ですが、村上春樹訳による探偵マーロウの粋な台詞回しが魅力のハードボイルド小説です。マーロウものの作品の中で本作はあまり評価の高くない作品らしく、ミステリーとして細部に綻びがある等の解説があります。ですが粋な言葉の応酬やタフであることに魅力を感じるフィリップ・マーロウが見られるなら本作もやはり良い、と思える程には満足。内容はさる富豪の元から出奔した妻の捜索を依頼されたマーロウが、行方を追って訪れた湖の町で別の女の遺体を発見するという話。

2022/02/12

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