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黒い天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ウ 1-6)

黒い天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ウ 1-6)

黒い天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ウ 1-6)

作家
コーネル・ウールリッチ
Cornell Woolrich
黒原 敏行
出版社
早川書房
発売日
2005-02-01
ISBN
9784150706067
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黒い天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ウ 1-6) / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

黒原敏行訳。夫はいつも彼女を「天使の顔Angel Face」と呼んでいた。彼女を誰より愛していたのだ。それが突然そう呼ばなくなった。ある日、彼女は夫の服がないことに気づく。夫は別の女のもとへ走ろうとしていた。裏切られた彼女は狂おしい思いを抱いて夫の愛人宅を訪ねる。しかし、愛人はすでに何者かに殺されており、夫に殺害容疑が!無実を信じる彼女は、真犯人を捜して危険な探偵行に身を投じる…新訳で贈るサスペンスの第一人者の傑作。

2005/04/21

うーちゃん

愛人の元へ去ろうとしていた夫。しかし、その愛人が死体となって発見され、夫は犯人として捕まってしまう。アルバータは夫の無実を信じ、危険な探偵行に身を投じる・・。私ならそんな不倫夫放っとくが、"天使の顔"ことアルバータは優しいのである。彼女に愛と知恵と勇気があることは否定しないが、まあちょっとトントン拍子すぎるきらいはある。そういう意味でミステリとしては弱いが、やはりこの作家は文章が美しい。黒原訳との相性も抜群だろう。街の喧騒、ジュークボックス、書き置き・・舞台装置も完璧だ。悲しいラブソングのような物語。

2022/12/19

Ayah Book

殺人の冤罪で捕まった夫のために真犯人を探す若くかわいい妻。この妻ちゃんの「はじめてのおつかい」的な大冒険を描くのかなぁ、と思いきや。ラスト・・・あまりにも苦く切ない。ストーリーは単純だけど、心に残る作品。

2017/10/04

Tetchy

泣けた。静かに泣けた。夜の切なさに包まれたかのようだ。やはりウールリッチはすごい。『喪服のランデヴー』に代表される連作短編集のように物語を紡ぎだすウールリッチのスタイルは健在。今回は夫の冤罪を晴らすべく浮気相手の4人の男と妻アルバータの物語として描かれる。そして今回は今まで以上に特に名文が多かったと感じた。ところどころではっとさせられた。誰もがロマンティストになる小説だと思った。本当にウールリッチは素晴らしい。

2009/09/26

elf51@禅-NEKOMETAL

愛人の元に逃げようとした夫が,その愛人の殺害容疑をかけられ,謎の殺人者を追うという話だが,謎を追うと言うより,犯人と目される4人との関わりを書いた連作短編集のような作りになっている。ヒロインが美人で魅力的で,犯人を追う心情や追い詰められる緊迫感が,アイリッシュならではの美しい文章で描かれる。一人で犯人を追う姿は冒険小説のようでもある。時折出されるハマリのフレーズもいい。コーネル・ウールリッチ名義としては最高傑作ともされている。 いい雰囲気だ。

2021/01/25

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