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どちらでもいい (ハヤカワepi文庫)

どちらでもいい (ハヤカワepi文庫)

どちらでもいい (ハヤカワepi文庫)

作家
アゴタ・クリストフ
堀茂樹
出版社
早川書房
発売日
2008-05-08
ISBN
9784151200496
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どちらでもいい (ハヤカワepi文庫) / 感想・レビュー

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だんぼ

わたしは我が家へ帰る。これまでいちども持ったことのない我が家へ、あるいは、あまりにも遠くて、おもい出すことのできない我が家、かつていちどとして、本当に我が家であったことのない我が家へ

2022/07/17

nuit@積読消化中

アゴタ・クリストフによる初期掌編集。 夢想、独白、回想など、著者独特のリズムを持った文章が素晴らしい。これを経て後の『悪童日記』三部作など傑作が生まれたのだと思われるものもあったり。どれを読んでもジワリと心に沁みるような感覚があります。

2018/03/20

優希

静かでつかめない短編集でした。だからこそ心にふわりと染み渡るように思います。

2022/11/16

zirou1984

嘘を付くことが弱い事だとは思わない。本当の弱さとは嘘を付いている事を認めないこと、嘘を付いていると気が付かない事を指すのだから。短編集というより喪失と悲哀のショートショートの様な本作は、タイトルが示している通り時に投げやりな感はあるものの、それが彼女の人生にこびりついた絶望と後悔に一層凄みを与えているのだ。そう、皮肉な笑いは虚無をやり過ごしてくれるが、それはただ先送りしているだけに過ぎなかったのだと気が付いた瞬間の、真っ逆さまに落ちていくあの感覚。商品として体裁を整えられる以前の、剥き出しの虚無の断片集。

2015/02/12

Y2K☮

著者初読み。家、町、通り、家族など身近な何かに対する喪失感を軸に組み立てた雑記的な掌編小説集。タイトルの言葉を口にする際、人は心の中で「どうせ」と付け加える。淡い期待や楽しみに待った約束をあっさり裏切られた過去の痛みを思い出して眉をひそめる。「間違い電話」はまさにそんな感じ。「うん、知ってた」と嘘でも云いたくなる。愛すべき対象へのサイコ的な思い込みに戦慄する「先生方」もいい。また一人自分向きの作家を見つけた。しかし女性とは思わなかった。確かに別ジャンルとはいえパトリシア・ハイスミスに近い空気は感じたけど。

2015/09/09

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