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わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

作家
カズオ・イシグロ
土屋政雄
出版社
早川書房
発売日
2008-08-22
ISBN
9784151200519
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あらすじ

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸

「わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)」のおすすめレビュー

ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの『忘れられた巨人』が待望の文庫化!

『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ:著、土屋政雄:訳/早川書房)

 イギリス人の作家カズオ・イシグロが2017年のノーベル文学賞を受賞した。本人もまったく予想しておらず、最初は間違いだと思ったそうで、BBCから電話があって初めて本当だと信じたと語っていた。その受賞がイシグロの近著『忘れられた巨人』文庫化のタイミングと重なり、邦訳権を持つ早川書房はなんと発売日を異例の前倒し、さらに旧作を含め100万部を超える大増刷を行ったという(さらにはノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のリチャード・セイラー教授の著書『行動経済学の逆襲』の邦訳版とノーベル物理学賞を受賞したライナー・ワイス、キップ・ソーン、バリー・バリッシュの3氏から取材しまとめられたノンフィクション『重力波は歌う』の邦訳版も早川書房から出ているという椿事もあった)。

 イシグロは寡作な作家だ。『忘れられた巨人』(土屋政雄:訳)は2015年に出版されたが、前作の『わたしを離さないで』から10年ぶりとなる長編小説だった。1982年の作家デビュー以来、『忘れられた巨人』を含め7つの長編と短編集1作…

2017/10/28

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わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

小説を読むよりも前に映画を見てしまったのだけど、映画は原作にかなり忠実で、しかも原作の持つ趣もよく伝えていたと思う。ただし、語り手であり、主人公でもあるキャスをはじめとした登場人物たちの心の表現の微細さは小説ならではである。生きることの意味を問いかける本書のテーマは、この特異な構想の中でみごとに描き出されているといえるだろう。ヘールシャムからノーフォークにいたるまで、その情景は常に冬枯れたかのような光景であり、一人称体で淡々とした語りの手法も成功しているだろう。

2012/02/18

抹茶モナカ

物凄く抑制の効いた文章で、奇妙な物語を描きつくしていて、見事。文体が印象に残ったのは、翻訳者の努力もあるだろうか。奇妙な物語で、三角関係の恋愛小説という側面もある。ミステリー小説の要素もあるけど、それはそんなに重要ではない。

2014/05/11

starbro

読友さんのオススメで読みました。忘れられた巨人に次いでカズオ・イシグロ二冊目です。今回はミステリ調でしっくり来ました。読み進める上で内容が明らかになりますが、良質なホラーのように正体を中々現しません。臓器移植、選民思想等、色々考えさせられました。代表作だけあり骨太の素晴らしい作品だと思います。

2015/08/08

遥かなる想い

イギリスの美しい田園地方ヘールシャムの私立学校で子ども時代を過ごした3人、キャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。だが、この私立学校は臓器提供者の学校であり、美しい田園描写とは裏腹にそこで育つ子供たちの不安・怯えのようなものが巧みに描かれていく。著者はこの本で何を描こうとしたのだろうか…

2011/07/16

れみ

とある使命を持ってこの世に生まれたキャシーそして同じ施設で幼い頃を共に過ごしたトミーとルースのお話。こんなシステムがあったら恐ろしいと思うとともにヘールシャムを作った人々の考え方は結局「普通の人間」目線からの自己満足のような気がしてしまった。とはいえ作品自体が悪いわけではなく独特の空気感や文体を体感できて良かった。

2016/03/29

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