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動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

作家
ジョージ オーウェル
水戸部功
山形浩生
出版社
早川書房
発売日
2017-01-07
ISBN
9784151200878
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動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) / 感想・レビュー

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はっせー

再読したー!相変わらずすごい力を持った本だと感じた! ロシア革命からスターリニズムの台頭までの話を動物に置き換えて書かれた本である。嘘の罪を自白して処刑される描写は本当に恐怖を感じる。ここで興味深く感じるのはロバのベンジャミンの行動である。ベンジャミンはスターリニズムの台頭によって農場の世界が変わってきているのを知っていた。にもかかわらず行動に移さなかった。沈黙は暗にその事を容認しているのと同じである。傍観者になれば救える人も救えなくなる。またしばらくたったらこの本を読みたいと思った!

2020/06/05

のっち♬

ロシア革命後のスターリニズムをブタが指導者となった動物農場に置き換えて風刺。民主社会主義者から見たソ連は破壊すべき神話。幅広い層が理解できるよう平明で過不足のない表現と明晰・対称性重視の展開を心がけ、あらゆる権力構造を助長する被支配者の弱腰をシニカルに描く。権力横暴、歴史・法律の改竄などは勿論、不透明性や客観性喪失も当時の英国民を重ねるように入念。訳者は序文案が読みの多様性を削ぐと指摘するが、作品の意義以上に優先されるべきとは思わないし普遍性は十分残った。結末の不協和音に理想実現の至難に悩む著者を感じる。

2023/03/11

KAZOO

お気に入りさんの感想をみて読みました。山形さんという最近古典の経済書などを訳されている方が訳されておられて非常に今までのほかの訳本に比べると読みやすくなりました。古典というよりも最近の小説を読んでいる気になりました。むかし原書で読まされたことや、コミックの映画’ドイツ語の勉強のため)を見させられたりしたことを思い出しました。

2018/10/01

ケンイチミズバ

人間からの搾取から解放されたのもつかの間、今度は動物が動物を搾取することに。公開処刑のページまでくれば、我らが同志ナポレオンは北のジョンウン、将軍様じゃん。と若い人も理解するでしょう。私たちの年代なら、ソビエト共産圏の恐ろしい時代にも思い至ります。初めは同志、皆平等に見えたのに集団には指導者が現れ、賢いブタは腐り権力に味をしめる。権力に恐れをなし服従する他の動物は硬直して意見すらできません。結局人間が動物から搾取していた世界、つまり革命前の世界と変わらない。プロパガンダや演説に騙されてはいけないんだ。

2017/02/02

ちょろこ

奥深い作品、の一冊。動物たちを主人公にした寓話。思ったよりも読みやすく良かった。自分は読みながら、現代の、とある国を思い浮かべたけれど、読み手によってそれぞれ思う対象は違うかもしれない。例えば政治の世界、会社、もっと縮小された人間関係など…。そう考えるとゾクッとくる。様々な立場の読み手に様々な解釈を起こし、以前は気づかなかったことに気がついたりと、これは読めば読むほど奥深い作品なのではと思った。声なく黙々と従うこと、それがもたらす社会、人間関係…ちょっと立ち止まって考える、そんな気分にさせられる。

2019/07/18

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