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昏き目の暗殺者 下 (ハヤカワepi文庫)

昏き目の暗殺者 下 (ハヤカワepi文庫)

昏き目の暗殺者 下 (ハヤカワepi文庫)

作家
Margaret Atwood
マーガレット・アトウッド
鴻巣友季子
出版社
早川書房
発売日
2019-09-19
ISBN
9784151200977
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昏き目の暗殺者 下 (ハヤカワepi文庫) / 感想・レビュー

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びすこ

重層的なストーリーを、一つの真相が清算した。終盤には唸らされた■書くことについて、主人公は「せめて、立会人を求めている」と説く。人の声は、いつか消える。恨みも消えゆく運命なら、誰かに知ってほしいというのが人情だろう■ただ、彼女は表向きに言うよりしたたかだ。振り返れば、すべて仕掛けであった。とりとめもない思い出話も、ところどころ差し挟まれる「昏き目の暗殺者」の断章も。綿密に計算され、じじつその通りに作用している■なぜ書くのか。それは復讐のため。ここに書かれた手記と小説こそが、そう、暗殺者だった。

2020/02/14

アプネア

女の悲哀や情念をこれでもかっと積み上げながら、因果律といったわかりやすい物語のルールが揺るがされ、覆されていく。善悪の基準に沿わない、より理不尽な大恐慌と二つの大戦によって、押し流された結果ゆえの混沌なのか…。なりたい自分も分からずにもがく姉妹の物語なのだと思っていましたが、終盤、誰に向けた話といった点で、この入れ子構造はより鮮明さをいや増し、昏き目の暗殺者の姿が浮かび上がる。そう、人が伝えるのはDNAだけではない。人は物語として他者に宿ること出来る。その他でもない誰かの中で生き続け、語り継がれるのだ。

2020/01/10

わたなべよしお

残念なことに私には、この作品を十分に楽しめなかった。最後まで読ませるだけの力を持った作品ではあったし、生きることの「孤独」もじわじわと感じさせた。しかし、この物語の重層性を感得することもできなかった。「侍女の物語」の方が良かったかなぁ。

2019/12/01

R子

初のアトウッド、堪能した。核心に触れない、はぐらかすような語り口に翻弄されて読み進むのに時間が掛かったが、とても面白かった。真実を知った上でページを遡れば、あらゆる場面に伏線が織り込まれていたのだと気付く。姉妹はそれぞれ自分の運命に立ち向かう勇気を持っていたけれど、そのあまりの過酷さに読みながら何度も息を呑んだ。真実を繕う為に重ねられた嘘が、昏き目の暗殺者を生んだのだと思うと苦しくて悲しい気持ちになる。せめてサブリナには、幸せな未来があることを願う。

2020/08/13

ぱなま(さなぎ)

並行して語られる複数の物語はまるで異なる位相にあるように見えたのに、重なりあいが徐々に明らかになっていくスリリングな構成。語ることは未来のためであっても、実はひどく罪深い行為なのでは?その影響が書き手にすら計り知れないがゆえに。「その老女は歴史を美化し改竄する。」語ることとは、真実を作り変えることでもあるから…。長く生きた者が有利でもあることだし。姉と妹、あまりにも近すぎて、愛しくて、憎い。生者よりも死者の方がより長く、より注意深く耳を傾けることができるから、死者との方をより近づけてしまうのだろうか。

2019/11/03

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