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春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

作家
アガサ・クリスティー
中村妙子
出版社
早川書房
発売日
2004-04-16
ISBN
9784151300813
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春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) / 感想・レビュー

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W-G

ずっと気になっていた一冊。この本の”重たさ”というのか、刺さる人と何も感じない人が両極端に分かれそう。まったくピンとこない人にとっては、どこが山場で何がオチなのか全然理解出来ないのではないだろうか。しかし、そういう人が手に取らないような邦訳タイトルをつけているところが出版社の上手さ。本当に平坦な物語なのだが、ジョーンが家に帰りついて夫に声をかける瞬間。この一言だけで読ませてしまうクリスティ、さすがです。『アガサクリスティ完全攻略』にあったように、まさに読者に呪いをかける本。

2017/12/15

nobby

「かわいそうな(プア)リトル・ジョーン」何て哀しい女性なんだろう…でも、それはあくまで読者も含め周囲が感じることだ…少なくとも愛する夫がいる限り幸せなのだ…「そう、ぼくがいる」その見せかけの優しさが実は憐れみだとしても…シェイクスピアのもの悲しい一句をタイトルに描かれるのは、満ち足りた家庭を自負する主婦の回想。難航する旅路の途中に、人も死なず特に事件も起こらない。ただ徐々に思い起こされる誰にも何事にも自らを押し通す様は痛々しいばかり…初めて抱いた孤独や懺悔の念に戸惑いつつ彼女の下した決断は寂しくもやはり…

2020/05/21

kaizen@名古屋de朝活読書会

メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれにもアガサクリスティの性格を持った人が登場する。 イギリスの女性で、表向きには個人的なことを話さない。 ある理想的な幸せは、危険が少ない、確実な生き方。夫や子供は、こうあるべきという建前で生きている。主人公は、ある年代までのアガサクリスティそのものなのだろう。外国旅行で、ひとりぼっちになり、自分の生き方に疑問を持ったというのは同じかもしれない。家に帰ったら、夫に謝ろうとしていた主人公。アガサクリスティは、脱皮したが、本書の主人公は脱皮しなかった。

2011/04/28

新地学@児童書病発動中

クリスティーが書いた普通の小説。繊細な心理描写に引き込まれて、あっという間に読んでしまった。英国に帰る途中で中東に足止めされた女性が、偶然出会った友達の一言により、自分の人生をもう一度見直すことになる。ジョーンが少しずつ自分の人生のほころびに気付いて過程はスリリングで切なかった。登場人物の描き方やプロットが巧みで、ミステリーで鍛えた手腕が生かされている。結末はほろ苦く、重たかった。生きることのやるせなさが凝縮されており、読み手に強烈な印象を残す。

2016/05/22

barabara

何て恐ろしい本なのだろう。後書きの栗本薫さんが書いていたように、この本を読み終わって怖い、と思う人と、哀しい、と思う人に別れると言うのは名言だ。私は悲しき前者だった。人の性質は幼少時に大部分固定されてしまうと言う。彼女には、何も罪はないのだ、悪意はないのだからと思いながらも、とても悲しく情けなさとミジメさを私は味わった。彼女より自分はかなり若い。彼女の年齢になるまでこの本を読まなかったよりはラッキーだったのかもしれない。クリスティはこんな小説も当時書いていたのかと思うと、人間を熟知していたのだと思い知完

2011/08/30

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