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別役実 (1) 壊れた風景/象 (ハヤカワ演劇文庫 10)

別役実 (1) 壊れた風景/象 (ハヤカワ演劇文庫 10)

別役実 (1) 壊れた風景/象 (ハヤカワ演劇文庫 10)

作家
別役実
出版社
早川書房
発売日
2007-07-25
ISBN
9784151400100
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別役実 (1) 壊れた風景/象 (ハヤカワ演劇文庫 10) / 感想・レビュー

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tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

☆5.0 原爆をテーマにした、背中に残る被爆痕(ケロイド)を 人目に晒すことで自己の存在を確認しようとする男を描いた『象』と『壊れた風景』の2作品を収録。『象』がとても面白かった。

2021/03/03

なる

演劇界でいわゆる「不条理演劇」の第一人者として名を馳せた大家。『壊れた風景』はまさに不条理劇の顕著な例といえるかもしれない。山へ散策に来た母娘が道に迷い、そこに通行人の男が話しかけたことから物語が始まる。次々と新たな登場人物が登場するも、あれ、、、とかその、、、とか、曖昧な言葉ばかりが飛び交い、投げっぱなしの会話は一向に進展しない。だんだん登場人物が増え、ますます話は複雑にこんがらがる。最終的なオチの部分も含め、集団心理と曖昧なコミュニケーションという、なんとも強烈な皮肉を受け取める。

2021/07/20

mstr_kk

東京乾電池による別役実の『会議』の上演が素晴らしく、それと同時にこれまで別役作品を敬して遠ざけてきた自分に気づき、急いで購入して読みました。『象』は不条理劇というより詩的な劇で、唐十郎の初期作品はベケットというより別役さんの影響下にあったのだなあと再確認。被爆者の描き方に強烈で哀切な皮肉があり、これはやはり貴重な作品だと思いました。『壊れた風景』は、ずるずると悪夢の深みに飲み込まれていく人々の姿に、とても気分が悪くなります(作品として凄い)。日本のベケットというより、日本演劇のカフカだと思いました。

2015/04/24

新田新一

「壊れた風景」は結末が強烈な印象を残す戯曲。登場人物たちの他愛のない会話が暗転して、深淵が顔を覗かせます。「象」は難解な内容で、最後まで読んでも作者の言いたいことがはっきりしませんでした。もう一度読み返し、これは日本の社会の弱点を、表現したものではないかと思いました。病んだものや問題点を隠そうとする事なかれ主義です。この戯曲で言えば、原爆の傷跡です。二つの戯曲とも極度に抽象的な内容で、読む人によって受け止め方が変わりそうです。ベケットの『ゴドーを待ちながら』にそっくりで、言葉の多義性が生かされています。

2023/08/16

りえこ

もっとわかりにくかったり読みにくいかと思っていたら、面白くてどんどん読めました。

2012/11/22

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