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ガラスのなかの少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 28-1)

ガラスのなかの少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 28-1)

ガラスのなかの少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 28-1)

作家
ジェフリー・フォード
Jeffrey Ford
田中一江
出版社
早川書房
発売日
2007-02-01
ISBN
9784151768019
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ガラスのなかの少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 28-1) / 感想・レビュー

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つねじろう

ねこにゃんさんからお借りしました。舞台はアメリカ禁酒法時代、金持ち相手の降霊詐欺の主人公達のお話。その詐欺師仲間の顔ぶれが凄い。犬男から蜘蛛小僧、30羽の鳩を操る女奇術師に超デブ女にヨボヨボのナイフ投げ。ね、これだけでもうワクワクするでしょ。ある少女の殺人事件に関わってしまったことから政府をも動かす異常選民意識集団と対決するハメになる。その過程で大人になって行く主人公とそう仕掛ける親代わりの天才詐欺師。人間の醜い差別意識の問題も抉りながら主人公の成長を応援する詐欺師達の優しさが良い。満足満足の一冊でした。

2015/02/04

あたびー

狂乱のアメリカ禁酒法時代。養父シェル、その手下アントニーと共にインチキ霊媒師として荒稼ぎをするメキシコ不法移民の少年ディエゴ。顧客の家の窓ガラスの中に行方不明の少女が見えたとシェルが言い出し、その捜索に乗り出すことに。全くの謎に見えた事件に残り1/3で急転白人至上主義と優性保護が絡んでくる。アメホラのフリークスの回のようにサーカスで活躍する様々な異能を持つ友人らに助けられディエゴはさらわれたシェルを助け出すことができるのか?この本を読んで今全米を席巻する人種差別反対の声を途切れさせてはならないと確信する。

2020/06/20

藤月はな(灯れ松明の火)

降霊術がきっかけで知った「魔物」とは・・・・。人種差別とオリエンタリズム、禁酒法の1930年代のアメリカでの少年の成長。印象的だったのが鉱山での禁忌と幽霊の警告でしたがある陰謀が明らかになってからは翻弄された彼と彼女達の行く末に遣る瀬無くなります。悪党にならざるを得なかったシェルが良心に苦しんでそんなシェルを心から心配する彼らは「家族」だと思います。道は別れてしまったけどディエゴは幸せになった。皆もそれぞれ、幸せになった。儚くも美しい夢の光景のようなラストに微笑みそうになります。

2013/04/09

mizuha

詐欺師シェルが、インチキ降霊会の最中、ガラスの中に少女を見た事から始まるストーリーは、少女の死の真相が明らかになるにつれオカルトからはかけ離れていくが、異形の人物達の活躍ぶりはアメコミを見るようで楽しい。禁酒法時代のアメリカを背景に、KKK、EROと実在の組織の思想を絡めて組み上げていくフォードは、登場人物の一人に「魔物は死なない」と言わせている。その一つがEROからヒトラーへの繋がりであるなら、二度と蘇らない事を願うところだ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞作。

2014/09/25

本木英朗

眩惑的筆致で読者を驚愕させる筆者を放つ、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作が、この作品である。俺は2007年に一度読んだっきりで、今回で2回目である。交霊会が開かれる邸で起きた不可思議な出来事。数日前から行方不明になっていた少女の姿が、突如ガラスに浮かび上がったのだ……いんちき降霊術師ディエゴら一行は少女の行方を追い、彼女が謎の幽霊におびえていた事実を知る。まもなく本物の霊媒師を名乗る美女の導きで、ディエゴらは少女の居場所にたどり着く。そこで見たおぞましいものとは?という話だが、うーん。

2020/04/15

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