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くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

作家
シャーリイ・ジャクスン
深町眞理子
出版社
早川書房
発売日
2016-10-21
ISBN
9784151823015
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くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

22の短編で400頁。ゾッとすると言うより、飲み込みきれないイヤなものを喉元に残す。22もあるので、徐々に毒にも慣れてきてなんとなく読み進む短編もあるなと油断していたら、最後の「くじ」で頭を突然殴られ、ぐわ〜んとなった感じ。辛辣とか毒とか悪意とか、そんなものではない。二編目のタイトルに「魔性の恋人」とあるが、確かに悪魔が潜んでいるかもしれない。訳が深町眞里子さんで良かった。解説で教えてくれていることに、思わず手で口をおさえた。それを頭に入れておいて、もう一度読まなくちゃ。

2017/03/21

☆よいこ

短編集。表題作のみ読了▽収録作品22>酔い痴れて/魔性の恋人/おふくろの味/決闘裁判/ヴィレッジの住人/魔女/背教者/どうぞお先に、アルフォンズ殿/チャールズ/麻服の午後/ドロシーと祖母と水平たち/対話/伝統あるりっぱな事務所/人形と腹話術師/曖昧の七つの型/アイルランドにきて踊れ/もちろん/塩の柱/大きな靴の男たち/歯/ジミーからの手紙/くじ▽「くじ(The Lottery)」6月27日に全住人が集まってくじを引く。1年に一度くじを引くのは昔からの慣例で止められない日常。当たりを引くと▽短編だけに狂気み

2024/01/11

HANA

ある意味正統派の表題作から心の闇を覗き込まされるような作品、人間関係を描いた作品等、どれもこれも粒揃い。一番楽しみにしていた「くじ」であるが現在となっては類話が多く、ラストの衝撃に慣れてしまった感じがする。逆に「どうぞお先に、アルフォンズ殿」等は現在に通じる部分が多そう。先に読んだ奇妙な味の小説も同様の主題が多かったし。何気に気に入ったのは「伝統あるりっぱな事務所」や「麻服の午後」もやもやとするんだけど、やはりサキを思い出させられる。このもやもや感こそジャクスンで、後年の作品を彷彿とさせられるなあ。

2017/04/07

カフカ

いずれも日常に潜む悪意を見せつけられる作品。何故だか読んでいる数日間悪夢にうなされ続けました……。有名な表題作はまさに、な怖さでしたが、「おふくろの味」、「決闘裁判」、「背教者」、「チャールズ」、「曖昧の七つの型」が特に好き。じわじわと立場が逆転し、最後には、あれ?自分がおかしかったのか?と錯覚してしまうところに恐怖を感じます。「チャールズ」だけは、恐怖というより可愛さのある予想外な展開に、唯一ふふっと笑ってしまいました。それにしてもここでも謎のハリス氏、裏で糸を引いているのは実は彼……?→

2023/09/12

星落秋風五丈原

『くじ』噂は聞いてたけどうわー嫌なエンディングですねぇ。キャリーオーバーなんか出てたらとんでもない。『おふくろの味』(何とジャパニーズなタイトル)の「あれ正しいのは自分なんだけどなんで?」という弱者の追い込まれ方がもう。

2016/12/04

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