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ジェニーのなかの400人

ジェニーのなかの400人

ジェニーのなかの400人

作家
ジュディス スペンサー
Judith Spencer
小林宏明
出版社
早川書房
発売日
1993-03-01
ISBN
9784152035554
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ジェニーのなかの400人 / 感想・レビュー

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7a

幼少というかほぼ赤ん坊の頃から、実母からまた悪魔崇拝者たちから凄惨な虐待を受け、それを対処するために300人もの人格を自分の中に生み出したジェニー。こんなことがまかり通るの?特に教団の存在は。しかし自分を守ろうとする人間の本能には驚嘆する。セリーナが男を誘うのも、ライザが子供の遊びをするのも生きていくため、自分を守るため。ジェニーは水晶の部屋の更に奥で、じっとうずくまっている。ジェニーは常に体調不良を訴えていたが、多重人格が肉体的にも負荷を与えるものだとは。

2019/09/19

がんぞ

1991年児童虐待が260万件、4.2%…数ではなく最悪の児童虐待はカルト汚染と痛感/ピューリタン共同体であった合衆国に建国後、酒飲みのアイルランド人が加わり…20世紀、ブードゥーの影響か?人を儀式犠牲に用いる“悪魔崇拝”教団が数多くあるらしい。ジェニーは幼少から「不安定な」性格と判定されてきたが、「口を閉じていないと…(想像を絶する)ひどい目にあう」自らの教訓で、他人格を発生させ転移してやり過ごしていたのだった、母も。12歳から2年の記憶のブランクにあった悲惨な体験が解明され、さらに更に深い闇が明るみに

2018/02/05

HONAMI

悪魔崇拝のカルト宗教に子供の頃から入っていれば、そりゃあ解離せずにまともに現実を受け止めるなんてことはできなかったと思う。ある意味異常な現実に対する正常な防衛反応だと思う。そこから本の最後に至っても人格は結局統合されない。それにしても人格の統合って、「消してくれないか」「一緒になってくれないか」で済むような簡単なもんなのか?といささかの違和感は残った。人格を分裂させるというコーピングが生存戦略だった、という話。私たちもジェニー程ではないが小さなコーピングは日々使っていると思う。程度の違いが雲泥の差となる。

2022/07/24

たみ

その人はタマネギが好きである。タマネギアレルギーである。良妻賢母である。複数の男たちにちやほやされるのを好む。アメリカ生まれであり、ドイツ生まれであり、男性であり、ずっと子どもである。破片も含め400以上の人格をもった女性のノンフィクション。34歳になるまで、彼女が多重人格だと誰も知らなかった。彼女自身ですら。むごい場面もある。自分とは何なんだろうか。記憶とはなんだろうか。愛とはなんであろうか。私が私であることの証明はできるのだろうか。

2014/01/20

ヒルデ

ジェニーから読者へのメッセージの「セリーナは世間のことに対処するのがとても上手です。わたしもいつか彼女のようになりたい」という部分に彼女自身の意欲が見えるが、「彼女(セリーナ)はありのままに世界を見ます。わたしにはまだ痛みを感じる場所としか見えません」という部分が痛々しい。

2012/10/08

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