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息子ジェフリー・ダーマーとの日々

息子ジェフリー・ダーマーとの日々

息子ジェフリー・ダーマーとの日々

作家
ライオネル ダーマー
Lionel Dahmer
小林宏明
出版社
早川書房
発売日
1995-08-01
ISBN
9784152079473
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息子ジェフリー・ダーマーとの日々 / 感想・レビュー

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みゃーこ

親の役割とは何か?教育に何できるのか。「こんなとき普通はこのように振舞うんだよ。」親は自分の経験から認知した世界を子供に受け継いでいく。その意味では彼は上手く矯正されたのだろう。一見してこのようなおぞましい行為をするような人間には誰もが思わなかった。誰を騙していたんだろう?しかし自我の目覚めと思春期の強烈な性衝動が同時に襲いかかり彼の内側は狂気と凶暴性は強烈な感情の波のものすごい破壊力で人間と獣を隔てる一線(理性)を超えてしまう。犯罪者の子供を持つ親の非常に真摯で率直な気持の吐露に読んでいて辛い。

2013/01/10

めがねまる

いくぶん硬い文章で綴られる、猟奇的な連続殺人犯の父親になってしまった戸惑いと悲しみ、後悔と懺悔。第1章は息子"ジェフ"の幼少期から現在までの回想、第2章は逮捕から裁判そして刑務所。科学者である著者の冷静な目は、息子の闇のなかに自分を見、自分のなかに息子の闇を見る。そして自分の暗い要素が息子にも流れ込み、破滅に至った事を悟り、これから父親になる人たちに強く警告する。「気をつけて、しっかり頑張って欲しい」と。ジェフリー・ダーマーは1994年刑務所内で囚人に撲殺された。

2015/11/05

井戸端アンジェリか

前半はよくある少年Aの親の手記のようで手に取った事を後悔した。でもジェフリーが逮捕されてからの後半部分は父の苦悩が重い。息子と自身の類似点を無理にでも探し出し自分を攻めまくる。子供を殺人者にしようと思って産み育てる親なんていないよね多分。 誇れる子供にはなれないけれど、せめて親を絶望の淵に叩きこむような人間にはならないにしようと思う。

2015/04/18

栗かぼちゃ

結婚や出産を身近に感じる年齢になって、果たして自分が立派に人を育てられる人間だろうかと感じることが多々あるのだけど、本書を読んだことで余計その不安が増した。別にこの人だって、必ずしも悪い父親ではなかったと私は思う。ただ、決して良い父親だったとも言い難い。この手の犯罪者の幼少期は悲惨なものが多く、特に両親との精神的な繋がりは子供の発達に大きな影響を与えるのだろうと思われる。この父子と同じように人との関わりを不得意とする人間としては、他人事とは思えなかった。

2023/11/19

ウメ

「心臓を貫かれて」を彷彿とさせる殺人者の父親による手記。息子が猟奇殺人者となった分岐点はどこか。振り返れば日常の平凡な思い出の何もかもが呪われた思い出となってしまう。遺伝と環境。そこかしこに萌芽を感じざるをえない。

2020/02/02

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