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沈黙の時代に書くということ: ポスト9・11を生きる作家の選択

沈黙の時代に書くということ: ポスト9・11を生きる作家の選択

沈黙の時代に書くということ: ポスト9・11を生きる作家の選択

作家
サラ・パレツキー
Sara Paretsky
山本やよい
出版社
早川書房
発売日
2010-09-01
ISBN
9784152091550
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沈黙の時代に書くということ: ポスト9・11を生きる作家の選択 / 感想・レビュー

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swshght

ポスト9.11のアメリカを告発するような文章だ。筆者はただ立ち向かう。「沈黙」ではなく「発言」あるいは「発信」しつづけること。それこそが彼女の作家としての使命だ。その姿はまるでハードボイルド小説の探偵のようだ。アメリカの暗部がページをめくるごとに明るみになっていく。彼女は自身の過去を振り返っていくが、それは同時に「生き証人」としての証言でもある。また、アメリカ社会と探偵小説の分析も見逃せない。社会主義、フェミニズム、人種差別などの様々な局面を体験しただけあって、その視点や切り口は鋭く、言葉はずしりと重い。

2012/10/19

よよよ4

狂気と沈黙の時代に声を上げることで起こりうる事態に対し、著者がどんなに深い恐怖を抱いていたかが身に迫ってくる。でもこれ、スターリン下のソ連でも、ナチ政権下のドイツでもない。つい4年前までのアメリカの話なんですよね(今は変わった・・と信じたい)。アメリカの個人主義の根源や、女性の(フェミニズム的)戦いの話など、それ以外のテーマも面白かった。やはり、「その国、その時代」を生きる人の言葉には強い力があるなあ。さて、翻ってこの日本に、恐怖を乗り越え声を上げてくれる作家はいるんだろうか・・。

2012/08/02

rumi

現在のアメリカへの告発文。9・11のもたらしたもの…戦前の治安維持法のような愛国者法の制定。恐怖の時代の中で〝自分の自由を守る方法はただひとつ発言することだ。沈黙させられてはならない”とただの息にすぎないとわかっていても抵抗を続ける。自由の国アメリカには奴隷解放、人種差別撤廃、ウーマンリブ、時代と戦った偉人がいた。日本も3・11によって衝撃を受けまさに今権力に抑え込まれようとしている。沈黙させられてはならない。発言する事の意義を考えさせられた。

2012/07/19

メルセ・ひすい

14-12 赤12 9.11と図書館の悲劇!…ヴィクトリア時代、課税反対運動の中で多くの者が公立図書館と公立学校を社会主義・共産主義と呼んでいた。いま同様の主張が…学校、医療、そして図書館に被害が及んでいる。9.11熱病の中で合衆国愛国者法…適用範囲に限度無し。事件後2週間もしないうちに、300P.の法案が提出されロクな審議も無しに可決。上院は反対1票!恐怖国家アメリカ (((( ;°Д°))))初めて語る著者の生い立ちと、米国社会への違和感、そして孤立を乗り越える人々への静かな共感と日本向1章。

2010/10/30

ののまる

V・I.ウオーショースキーはこの人だからこそ生まれたのね。シリーズをまた読みたくなってきた。

2014/02/15

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