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特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー: ノーベル文学賞受賞記念講演

特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー: ノーベル文学賞受賞記念講演

特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー: ノーベル文学賞受賞記念講演

作家
Kazuo Ishiguro
カズオ・イシグロ
土屋政雄
出版社
早川書房
発売日
2018-02-06
ISBN
9784152097477
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特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー: ノーベル文学賞受賞記念講演 / 感想・レビュー

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kaoru

左ページが原文、右ページが訳文という作りの本。5歳でイギリスに渡った著者が作家を目指すに至る経緯と日本に対する思い、『失われた時を求めて』に多大な示唆を受け、『日の名残り』の執筆の際にはトム・ウェイツの歌唱にインスピレーションを得た。幼少期から「リベラルで自由主義的な価値観」を信じてきたイシグロはそれが幻想であったかもしれない、と近年感じるようになる。「全体主義がはびこり…歴史上類を見ない大虐殺がはびこるヨーロッパを年上の世代が見事に変身させるのを見てきた」彼の世代は、今や極右思想やナショナリズムが⇒

2021/05/17

Toshiyuki Maeda

翻訳家の土屋政雄先生の講演があり、その会場に早川書房の特設販売所が設けられ、そこで購入。講演を聞いた後、読むとカズオイシグロのメッセージがしみじみと心に染み入る翻訳だと改めて納得する。英語が苦手な私にとって翻訳家は偉大な存在です。正確な英文理解と正確な文脈把握にもとづき、自分の中の日本語に照らし合わせて、納得が行くまで日本文を書き直す。土屋先生の翻訳は誠実な職人仕事であり、そのおかげでカズオイシグロ作品を読める幸運に、改めて土屋先生に感謝します。

2018/03/11

toma225

いつからかもう,私はカズオイシグロその人とその文章に恋をしているわけですが,このスピーチは彼の肉声が聞こえてくるようで,至福の読書時間でした。スピーチはやはり原文でなければ流れや間が味わえませんが,その意味でも英和対訳の本書はとてもセンスがいい。彼自身の人生の段階ごとに,あの作品,あの場面,あの構想が生まれた瞬間の創作秘話なども散りばめつつ,親密で,謙虚で,深い思索と展望のある内容でした。軽やかなのにね。珠玉です。

2018/02/17

やまはるか

 特急二十世紀はハワード・ホークス監督の1934年作品のタイトル。大きな啓示を受けた作品であることと、作家が二十世紀を俯瞰する仕事をしてきたことを掛けているようだ。作品を書く上でプルーストの「失われた時を求めて」や、トム・ウェイツの歌唱からヒントを得たことが記され、第2次世界大戦に近接する世代としての責務に触れ、記憶は引き継がれていくべきだと言う。そして、「意図的な健忘症と挫折した正義を地盤として、その上に本当に自由で安定した国家を築くことなどできるのか」と批判する。彼の作品がもつ社会性を裏付けている。

2021/04/17

mztn

45分間にわたるノーベル賞受賞講演を書き起こした本.英語と日本語の対訳が掲載されている.日本への想いやそのことを記録として留めておくための初期の作品であること.また,その他の作品の背景を語り,最後は,現代社会において文学が果たす役割について述べられている.ある意味特殊な人生を歩んだからこそ独特の視点が生まれたのだと思う.素晴らしいと思います.

2018/02/23

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