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忘られのリメメント

忘られのリメメント

忘られのリメメント

作家
三雲岳斗
yoco
出版社
早川書房
発売日
2018-08-21
ISBN
9784152097699
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忘られのリメメント / 感想・レビュー

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いたろう

著者初読み。切手サイズの素子・MEMを額に貼り付けることで、そこに記録された他人の記憶を擬憶体験<リメメント>できる技術が普及した近未来の日本。ミュージシャンであり、自分のライブの記憶を記録し、販売する憶え手<メメンター>である深菜は、ある依頼により、数年前に死んだとされる連続殺人犯、朝来野(アサクノ)唯の模倣犯を探し始める。凄惨な殺人の記憶の記録であり、闇市場で取引されるアサクノMEMの存在、そして、唯が求めていた神の記憶とは何なのか。ライトなSFかと思いきや、周到に練られた世界観がよくできた本格SF。

2018/11/01

うまる

他者の記憶を感情までも再現して体験できる擬憶素子(MEM)が存在する近未来SFサスペンス。 いや~この世界観だけで何杯もいけますね。殺人が記録された脱法MEMと、主人公の複雑な立場との関係性が面白く、読ませる展開でした。神の記憶とは何かという謎と、それを得るプロセスが凄惨な事件に絡んでいるのも良くできています。シリーズ物でもいける世界観なのに、あっさり1冊で終了なのがもったいない気がします。もっと擬憶絡みの事件を読みたいなぁ。男主人公の方がしっくりくる話な気がしたけど、百合の方が需要あるんだろうな。

2021/08/03

よっち

擬憶素子「MEM」を額に張るだけで、他者の記憶を擬憶体験できるようになった近未来。「憶え手」である歌手・宵野深菜が、リギウス社CEOの迫間影巌から脱法MEMの調査を依頼されるSFサスペンス。調べてゆく上で浮かび上がる深菜の生い立ちに深く関わる稀代の殺人鬼・朝来野と模倣犯の存在、そして殺されてしまった同居人・三崎真白。記憶を追体験できるという技術を物語のベースに据え、虚実織り交ぜた体験をしながら朝来野の行方を追ううちに特異だった自らのありようとも向き合い、しっかりと決着をつける展開はなかなか良かったですね。

2018/09/16

小太郎

この頃はラノベばかりかなと思っていた三雲さんのちゃんとした?SF長篇です。MEMという偽憶素子(なんじゃそりゃ)で他人の記憶の追体験が出来る近未来で起こるミステリ仕立てはいいんだけど若干散漫な感じがするのは残念。でもSF関連でハヤカワさんを筆頭に百合絡みが随分多いような気がするのは私だけかな?

2019/07/03

ひさか

SFマガジン2017年4、6、8、10、12月号、2018年2、4月号に連載されたものに加筆修正して、2018年8月早川書房から刊行。記憶を他者に伝える技術は、意識転写さえも可能なのか。緻密な世界設定の中で、二転三転する事件展開に翻弄されてしまいました。楽しめました。

2019/01/21

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