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三体

三体

三体

作家
劉慈欣
立原透耶
大森望
光吉 さくら
ワン チャイ
出版社
早川書房
発売日
2019-07-04
ISBN
9784152098702
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「三体」のおすすめレビュー

BOOK OF THE YEAR 2020投票スタート! まずは2019年小説部門を振り返る!半沢直樹じゃない、もうひとつの池井戸潤作品

『ノーサイド・ゲーム』(池井戸潤/ダイヤモンド社)

『ダ・ヴィンチ』の年末恒例大特集「BOOK OF THE YEAR」。今年の投票期間がいよいよスタート! ぜひあなたの「今年、いちばん良かった本」を決めて投票してみてほしい。  ここで改めて2019年にどんな本がランクインしたのか振り返ってみることにしよう。

 2019年の首位に輝いたのは池井戸潤の『ノーサイド・ゲーム』。左遷されたエリート社員が、成績が低迷するラグビー部の改革に乗り出す物語が、働く大人の圧倒的な支持を得た。大泉洋主演でのドラマ化や、ラグビーW杯で日本代表がベスト8入りを果たした快挙も追い風となったが、やはり決め手は作家と作品の質への信頼感。「池井戸潤は裏切らない」、そんな熱い声が2018年から2年連続の首位に押し上げた。

『小説 天気の子』(新海誠/KADOKAWA)

 2位は新海誠の『小説 天気の子』。観客動員1000万人超を記録したヒット作を、監督自らがノベライズ。映像では表現しきれなかった心理描写を盛り込むことで、鑑賞後の補完テキストとして若年層の心を掴んだ。

『沈黙のパレー…

2020/9/4

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日本で10万部を突破した中国SF『三体』、本国での漫画化が決定! 世界を震撼させた本書の凄さとは?

『三体』(劉慈欣:著、大森望、光吉さくら、ワンチャイ:訳、立原透耶:監修/早川書房)

 本国・中国で驚異的なベストセラーとなり、世界各国で19言語に翻訳され、シリーズ三部作累計2100万部超(このうち海外は約150万部、電子書籍を含む)を記録した中国SF長編ミステリー小説『三体』。今年7月に発売された日本語版が10万部(電子書籍を含む)を突破し、日本列島に“三体ブーム”を巻き起こしている。10月中旬に来日した著者の劉慈欣(リウ・ツーシン)も、「日本の(三体への)関心度は想像以上で、非常に嬉しかった。(先に訪問した)欧州を超えていた」と喜びの声を上げている。

 一方、中国では、ここへ来てついに大手オンラインコミックサイト「騰訊動漫(テンセントアニメーション)」から11月、オンライン漫画版(カラー)がリリースされることが正式に発表された。先行公開された予告版を見たファンからは、熱い期待が寄せられている。

 『三体』とは、一体どんな小説なのか。物語は、文化大革命というセンセーショナルな歴史を舞台に幕を開ける。

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望…

2019/11/2

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三体 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

評判の中国SF『三体』に耽溺する。地球から4光年離れたリアルな三体星系とバーチャルな幻想の三体時空間と、大きなスケール感で迫る。しかも、この長編の起筆部は、文革によって大興安嶺に下放(辺地に追放し、再労働教育・革命教育を施す)された天体物理学者、葉文潔の記述から始まる、中国現代史を如実に踏まえた記述は迫真のリアリティに満ちている。唯一の不満は、知識人の集まりである地球三体協会(一枚岩ではないが)の目的が、人類の自浄を見限って、三体星人に依存しようとするところだ。その短絡的な弱気は、文革以来長年の圧政に⇒

2020/04/09

W-G

連休を利用して着手。予想していたほどは読みづらくなかった。科学/物理学への言及箇所は流し読みしても大丈夫。人名を中国発音で読むか、そのまま日本語で読むかによっても、読むスピードが大きく変わりそう。内容の方は、まだこれだけではなんともいえないところ。この一冊でストーリー全体の『序』の部分にしかなっていないので、評価の確定は後の二作次第。今のところ、しっかり面白い。スケールが大きすぎて、民間人の船を輪切りスライスすることが普通に見えてしまうから恐ろしい。この三部作、中国語版だけで2100万部らしい…。

2019/08/26

パトラッシュ

圧倒的なスケールと豊富なアイデアに科学描写、エンタメのツボを押さえたストーリーなど、SFとしては文句ない。しかし従来のファーストコンタクトあるいは地球侵略テーマ作品と決定的に違うのは、葉文潔を筆頭に「人類に絶望して地球が侵略され滅亡するのを望む」人間を描いている点。葉が三体世界を招いたのは父を殺した文化大革命に復讐するためなら、文革を発動した毛沢東が人類滅亡の種をまいたことになる。いわば影の巨悪は毛沢東であり、少し読み替えればディストピアたる地球を守る人々を描く痛烈な中国共産党批判の政治小説に化けるのだ。

2019/07/30

absinthe

面白い!すごい才能が出てきたんじゃない?とにかくアイデア豊富で飽きさせない。荒唐無稽になる寸前で巧妙に次のネタを出してくる。中国の負の歴史もダイレクトに描写し、人類が立ち向かうべき危機と暗黒の歴史が重畳される手法も見事。歴史の河の大きなうねりを感じる。人間を並べて人列方陣コンピュータが動く描写など圧巻で、システムエラーを引き起こす部分にニヤリ。理系に大きく振れた作品だが文系の人にも面白いと思う。謎も神秘的で、いつも目の前の程よいところにぶら下げてくれる。

2020/01/20

青乃108号

まず凄まじい情報量に圧倒される。そして抜群に面白い。読み終えるのに休日の2日間まるまる潰してしまったが、読後これ程の充足感を味わったのは初めてだ。序章の段階でこれだけ読者を惹き付けるパワーを持ったこの作品、全て読み終えるまでは生きていたい。これ以上、今は語る言葉を持たない。

2022/09/30

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