アクティング・クラス
アクティング・クラス / 感想・レビュー
ぐうぐう
『サブリナ 』のニック・ドルナソ最新作。『サブリナ』でドルナソは、フェイクニュースに魅せられる人々の危うさを描いてみせた。外部から発信されているニュースの危うさではなく、あくまで受け取る側の内なる部分の危うさをドルナソは指摘していたが、最新作ではその主題をもう一歩深めている。社会に馴染めない10人が演技教室に参加する。そこでジョン・スミスという男の指導により、10人は役を演じていく。そこでまさしく10人は、虚構に魅せられていくのだ。(つづく)
2023/01/07
こうすけ
気づかないうちに出ていた、『サブリナ』の作者の新刊。コミュニティーセンターの演技講座に集まった、クセのある男女の群像劇。徐々に現実と空想の世界が入り乱れる、気味の悪さ、不穏さが秀逸。
2022/12/26
Ecriture
この『アクティング・クラス』を含む、ニック・ドルナソ全作品解説トークイベントの模様があと2日だけ配信されています。https://ajirobooks.stores.jp/items/6316d9be23c2aa30458909e2 未邦訳作品についても知りたい方はお見逃しなく。
2023/01/09
Mark.jr
こんなに無機質と言ってもいいぐらいの絵柄なのに、登場人物が演技の授業を通して、徐々に自己と演じるキャラクター、現実と虚構の境界が失くなっていくのに、読んでいるこちらもまた一緒に巻き込まれていくかのようなパワーと引力を感じます。とにかくページ数以上にヘビーな一冊です。
2023/01/02
brzbb
社会に馴染めなかったり人生に違和感を持つ人たちがある演技クラスに参加する。参加者同士で即興劇を演じるうちに現実と虚構の境界線が曖昧になっていく。それは現実からの解放ではあるんだけど、妄想世界に飛びこむことでもある。即興劇の内容が魅力的であるだけに、たまらなくおそろしくなる。おそろしいけどページをめくらずにはいられない。現在の日本で話題になってるあの問題とも通じるし、はっきりとは語られないけど先生役のジョンのまわりに広がる闇を考えるとどんどんおそろしさが増してくる。
2022/12/12
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