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透光の樹

透光の樹

透光の樹

作家
高樹のぶ子
出版社
文藝春秋
発売日
1999-01-01
ISBN
9784163182704
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透光の樹 / 感想・レビュー

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ゆのん

25年ぶりに再開した男女。一時出会っただけの2人が再開した時から運命が変わってゆく。40歳も過ぎた2人の関係は若い人のそれとは違いお互いの気持ちを探りながらの切ないものとなる。たった2年2ヶ月という短い期間の話だがその内容は非常に濃く読者という立場の私でさえ2人の間に入る事が罪悪の様に感じる。官能的な描写が多いが男と女の思考の違いが興味深い。大人の恋愛と一言では片付けれない2人だけの強い結び付きにラストでは切なさが残る。399

2019/12/28

クリママ

時代ものでも読むような文章。石川県鶴来。離婚して娘とともに出戻り、加賀の刀鍛冶の最後の生き残りの父を介護する。かつてテレビのADで彼女の父を取材した制作プロダクション社長。25年ぶりの再会、そして、経済的な理由を言い逃れにして関係を持つ。官能的な性愛の描写を交えながら、初老に差し掛かった男の心情が主に語られるが、後半は彼女の狂おしい思いが際立つ。恋愛初期の情熱的な性愛が不本意に断ち切られれば、一層思いが募るのは必然。女ざかりに何もなく過ごすより、狂気の成れの果てのほうがいいか。でも、なんか他人事。

2023/05/31

ふみ

最初から欠落を感じる恋は 閉じた形で成就する。こういうsexは悪くないけど、こんな恋愛はちょいとヘビーだと思いました<(_ _)>

2015/09/21

星落秋風五丈原

第35回谷崎潤一郎賞受賞。「買ってください、私を」。石川県の田舎町・鶴来で25年ぶりに再会した千桐と今井郷は、郷が千桐の借金を助けると申し出た事から契約された肉体関係が結ばれていく。千桐を演じる秋吉久美子談話「自分がTVのADだった時に高校生の千桐と出会った郷が。25年ぶりに再会して彼女との距離をお金によって埋めようとする。結果としての性愛があって、そのプロセスを経た後に全ての理由は純愛にあったとわかってくる。

1999/04/10

savasava

ザ・昭和。どうしよう乗り切れないと思いながら読み進め、途中からは作者の描写を楽しむように読むよう視点を変えたら、男女の駆け引きが描写の中に入れ込んで出てくる。小説の滋味を味わいました。

2017/03/11

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