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汐留川

汐留川

汐留川

作家
杉山隆男
出版社
文藝春秋
発売日
2004-10-27
ISBN
9784163234106
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汐留川 / 感想・レビュー

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あつひめ

そろそろ人生の折り返し地点を迎える男たちが語る思い出。人は誰しも過去を思い出す時には、美しく思い描いてしまうことがある。男性が主人公とあって、感情的な雰囲気はみじんも感じられず、淡々と物語は進行していく。男と女ではやはり生まれたときから何かを背負わされて生きている男にはいくら男女平等なんて叫んでも敵わないような気さえする。男の生き様みたいなものがいっぱいで…久しぶりに心が揺れた気がします。杉山さんの作品初読み。他の作品も読んでみたいと思います。

2011/06/22

takao

ふむ

2024/03/14

ko-sight

昭和30年前半のまだ川があった銀座、角筈と呼ばれていた新宿歌舞伎町、神田古本屋街などを背景に、淡くはかない人とのつながりが記された本。過去の情景がじんわりと思い起こされる本だった。

2016/12/08

藤枝梅安

カバーの絵がきれいだったので購入^^;。著者略歴を見ると、元新聞記者で、「硬派」な作品を書いていた人だったので、少し身構えて読み始めた。が、淡々とした文章には確かな息遣いが感じられ、地に足が着いた「大人の小説」の趣がある。収録された7編は、いずれも50代前半の男性が主人公であり、仕事上は昇進の道が閉ざされ閑職を与えられても腐らずに続けている、という男達である。

2009/07/25

おたきたお

看護士と難病の子どもを描いた「天使の見習い」以外は中年男を中心に据えた短編小説集。板さんの初恋の思い出を描いた「汐留川」や、亡き父親の隠された一面を発見する「手の中の翡翠」「散骨式」も面白い(「散骨式」は『半落ち』を思い出させる)が、個人的には「卒業写真」が印象深かった。主人公に「おき忘れてきた自分がいる。他人が覚えているのに、自分は覚えていない自分がいる。記憶の中の自分だけが、すべてではないのだ。他人の中で息づいている、知らない自分もいる。この街と同じことだ」と心中で言わせている。全くその通りだと思う。

2006/01/01

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