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花まんま

花まんま

花まんま

作家
朱川湊人
出版社
文藝春秋
発売日
2005-04-23
ISBN
9784163238401
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花まんま / 感想・レビュー

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🐾Yoko Omoto🐾

昭和の大阪下町。当時子供だった主人公たちが、生涯忘れ得ぬ不思議な体験を回想する6編の物語。常に生と隣り合わせにある人の死や大人が作る差別社会という現実に、"幽霊""輪廻""死者の意思""言霊"などのスピリチュアルな現象と昭和のノスタルジーを見事に織り交ぜた、どこか物悲しくも懐かしくホロリとさせるあたたかさが染みる作品。マイベストは、少女時代の性への好奇心と後ろめたさが、仄かなエロティシズムを以て描かれた「妖精生物」、言霊の力を信じさせてくれる「送りん婆」、死者の思いがコミカルに描かれた「摩訶不思議」。

2016/08/04

遥かなる想い

第133回(平成17年度上半期) 直木賞受賞. 昭和の大阪の下町を舞台にして、何とも例えようも ない読後感を与えてくれる。異物の体験や現象を 子供の目を通して描きながら、哀しく感じたのは なぜなのだろう。  心の機微のようなものを繊細に描いていると思う。

R

現代版御伽噺みたいな感じで、大阪を中心とした関西そこかしこを舞台に子供の目線から世間を見た短編集でした。基本的に人情話なんだけども、子供が主役だからこその絶妙な抜け方や、不思議との交わり方が見事で、そういうことあるのかもなぁという超常的なことと、大人になるとわかる理屈が子供が見ると同じように不思議なまま同列になっているのがよかった。表題作が一等切ない話だったけども、しみじみいい話だった。個人的には愛人が揃うまで動かない霊柩車の話がツボだった。

2021/06/26

かずよ

どれも子供目線のお話なのに、結構えぐい内容でドキドキしました。子供でも人間の汚い所って大人以上に解ってしまうものなのですね。いろいろ考えさせられる本でした。

2011/04/10

けい

朱川さんの直木賞受賞作品。昭和30年後半から40年代前半を主な舞台背景として描かれる6篇の短編集。筆者の最近の作品よりややホラー色が強めの作品群で、時代背景の描きこみがリアルな作品群でした。(パルナスのコマーシャルソング、差別的な時代背景、怪獣映画等々)最近の作品では時代背景にソフトフォーカスがかかっている様に感じていたのでのですが、今作はストレートに表現。筆者の作風の変遷を見れて得した気分でした。

2014/02/28

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