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TOKYO YEAR ZERO

TOKYO YEAR ZERO

TOKYO YEAR ZERO

作家
デイヴィッド・ピース
酒井武志
出版社
文藝春秋
発売日
2007-10-11
ISBN
9784163264202
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TOKYO YEAR ZERO / 感想・レビュー

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とくけんちょ

どこまでも続く陰鬱な雰囲気。これは、戦後の雰囲気をよく醸し出していると感じる。文章中に通常の文字と太字が織り交ぜられ、それが一つの作者が仕掛けた謎を解くキーとなっている。戦後まもなく発生した連続強姦殺人を巡って、捜査をすすめる刑事が主人公。この時代背景ならではの謎。誰もが肩書きどおりではない。正直、読んでもよくわからないことが多く、本書巻末の解説を見て、ようやく意味がわかったことも多い。再読はないかな。でもこの世界観は嫌いでない。こののしかかってくるような陰鬱な雰囲気、高村薫の照柿を思いだした。

2018/08/31

GaGa

戦後まもない頃、闇市に向かう女性を言葉巧みにおびき出し、強姦殺人を重ねていった小平義男。この事件をベースに精神の均衡を失いかけている刑事の深淵へと突き進む作品。作者は日本在住の英国人。07年日米英同時発売。三部作で「帝銀事件」「下山事件」へと続くそうだが、08年刊行予定の次作がまだ発売されていない。作者が書かないのか、書けないのか、書かれているが刊行されないのか、そちらの方が現時点ではミステリーである。

2011/09/07

紅はこべ

終戦翌年の東京で実際にあった連続婦女暴行殺人事件がモチーフ。事件担当の三波警部補の内的独白で物語は進む。韻文に近い文体。三波の目に映る猥雑で不潔な東京。繰り返される同じフレーズ。内的独白による三波の心理描写。それらはすべて伏線となり、ラストで意外な事実が明らかに。意識の流れ的手法とあるトリックの見事な融合。

2009/06/20

タカギ

イギリス人の著者が日本を舞台に描いたノワール小説。『東京三部作』の第1作で連続婦女強姦殺人事件の「小平事件」をモチーフにしている。最後まで読むと結果として面白いけど、本としてはかなり読みにくい。パッと本を開いただけでそれは分かるので、興味のあるかたは見てほしい。物語はラジオの玉音放送が流れる下ではじまる。終戦直後、何よりも食料が求められた時代の様子、死体、警察、ヤクザ、GHQが闇鍋のように煮込まれている。本文を読んで大体は理解できたけど、解説で初めてわかったこともある。なので、解説は読了後に読みましょう。

2021/09/12

3939タスタク

戦後の混乱期GHQに占領された日本で起きた不可解な事件。今回は『小平事件』をモチーフに、混沌とした時代に隠された闇を描かれているが、実に不思議な文体かつ難解な内容だったが、解説まで読み進める事で筆者の意図が理解する事が出来た。イギリス人である筆者が、『小平事件』『帝銀事件』『下山事件』と云う戦後間もない日本で起こった三つの事件にスポットを当てたのか、非常に興味を惹かれる作品である。

2013/05/20

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