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神様のいない日本シリーズ

神様のいない日本シリーズ

神様のいない日本シリーズ

作家
田中慎弥
出版社
文藝春秋
発売日
2008-11-12
ISBN
9784163276908
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神様のいない日本シリーズ / 感想・レビュー

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あつひめ

ドア越しに語る…心を開いて打ち明けようとしているようでいてやはり自分の中で自分と語り合っているような不思議に感じる作品。黙っている息子へ父親の長年抱えてきた思いを伝えてはいるが…。せめて、空き地で夕日でも眺めながら同じ景色を感じながら話してほしかった。息子香折(かおり)がイメージできない。親子って、隔てた空間で心を通わすことができるんだろうか?もしかしたら、いつも忙しくしていて家族を振り向かない父親がたまに父親らしくするパフォーマンスのように思えてしまったのは私がひねくれているのか?

2011/06/21

ちょん

難しい。父親が息子に語りかける形で終始話が進む。学生時に出会った妻との思い出、自分を捨てた父親の話、一人で育ててくれた母親の話。そして、いつも話の中心となる野球、日本シリーズ。難しかった。

2013/09/10

こた

プロ野球をあまり真剣に見たことがないのと、息子の部屋の前で延々と一人語りをするシチュエーションへの違和感が拭えないために、あまり感情移入はできなかった。少年(そして恐らく母親も)が父親を待ちたかった気持ち、と同時に憎む気持ちは痛く伝わってくる。

2012/10/27

togemaruko

少年がいじめをきっかけに部屋に閉じこもり、その父親が部屋の前で息子に語りかけることから始まる物語。祖父が野球をやめたいきさつ、父親は野球が好きなのに自分からはやらなかったこと、憧れの同級生と劇を上演することなどが、延々と語られています。西武対広島の日本シリーズとベケットの戯曲が語りにエッセンスを与え、やって来ない神様を待つことがキーになっていますが、少し難しかったです。伝わるようで伝わらない、親子代々それぞれの思いが少しせつない物語でした。

2017/10/06

加藤

父は息子に語りかける。普通のバットを自分で選べばいい。祖父が選べなかったバット。父が選べたかもしれないが選ばなかったバット。それを孫は自然に持つことが出来た。父の独白は独りよがりなものなのか?。誰だって自分の父親が母親に欲情する様子なんて見たくない、聞きたくもない。ましてや当の父親からなんて。語られるのは1986年西武と広島の日本シリーズ、『ゴドーを待ちながら』の稽古、そして豚殺しの祖父の物語。独りよがり?違う。受け継がれる思いにこそ意味がある。 …傑作。

2017/01/06

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