無意味なものと不気味なもの
無意味なものと不気味なもの / 感想・レビュー
三柴ゆよし
再読。精神科医による文芸エッセイ。二年くらい前、学校をサボってファミレスでひとり読み耽っていた時のことを鮮明に覚えている。「著者自身もずいぶん不健全だな」というのがその時の感想であったが、なぜかお気に入りの一冊になってしまっていた。どっちつかずの宙ぶらりんであった当時の心理と(いまもそれは変わらないが)、本書で取り上げられている小説の「無意味なもの」、「不気味なもの」とが奇妙にリンクしていたせいかもしれない。春日武彦には、もう一度こんな感じの本を書いてほしいように思う。
2009/05/11
カンジ
前置きと本文の関連付けが絶妙だと思います。よく考えられた、ていねいな文章だと感じます。読み進むにつれて、だんだん疲れてきました。でも底無し沼の辺りなど、共感できる部分にくると、一気に興味が湧き上がりますねやはり
2020/05/30
らむだ
無意味なもの、不気味なものにまつわる作者自身のエピソードを交え十六篇の小説について語った一冊。 「文学研究といった高尚なものではないし、エッセイと称するには強迫的な気配が漂い過ぎているだろう。」というまえがきの言葉が妙にしっくりくる、なんとも言えない味わいのある作品でした。 ※牧師の黒のベール、半所有者、長靴の物語、仁摩、ランドルフ・カーターの陳述、旅は道連れ、人魚とビスケット、風景小説、目かくし運転、夜の音、消えた娘、遠い空、黄金の眼に映るもの、忌中、殺生、父の最後の逃亡
2016/07/26
BJ
春日武彦の著作で一番面白いものを読みたい! 1886
2024/03/03
おかざき
春日大先生の考察がめちゃカッコイイよ。
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