黄昏旅団
黄昏旅団 / 感想・レビュー
Bugsy Malone
古より、杖の音を鳴らし他人の心象風景の道を旅する〈歩く者〉たちがいた。自らを落伍者と呼び、路上生活を続けていたろくでなしの青年グンは、謎の浮浪者タイゼンと共にその〈道〉の旅へ出る事に。とてつもなく優しい物語。。現実での残酷さや醜くい部分、弱さを〈道〉という形で一旦映しておきながら、それでも何処かに残っている優しさやいたわり、それを信じているという想いが、どうしようもなく愛しいろくでなしのグンの目線を通して、切ない程に伝わって来る。そして思う、やはり真藤さんには平山夢明さんと同じ想いが在るのだという事を。
2017/12/16
Rie
宿無しのグン。家族と離れて暮らすある少年の為、落伍者だとうそぶくタイゼンとともに少年の父親の元に行く。そこはある宗教施設。だが母と姉姿はなく…。タイゼンに連れられグンは少年の父親の心の中、記憶の《道》に入っていくことに。生まれた時から現在までの時間の旅。そこは心情によって長さも風景も違う道。数多くの旅をしてきたタイゼンは道に入ることにより実際の出来事、喜び、苦悩から人を読み解いていく…。人の心の中を知ることで自分を見つめ直していくグン。ある真実に行き着いたグンの身の内に起こったこと。途中、心がグラついた。
2015/07/04
九月猫
他人の“内”に入り込み、その人の人生の心象風景=〈道〉を歩く。それは代々の〈導き手〉と〈歩き手〉により太古から続いてきた〈道行き〉。ですます調の語りと相まってなんとも変わった物語だった。夜の片隅に集まる落伍者たち。知らずに〈道〉を歩かれる人たち。誰も幸せにしていないと嘆くグン。歩いた人たちの幸せを自分の中の幻に見るタイゼン。〈歩く〉だけでは満足できず〈弄り〉始める異形の者。ミステリのような部分もあり幻想小説のようでもあり、どちらとも違う。悪くはないけど、もう少しコンパクトにできた気がするのが惜しい。
2015/05/09
まつじん
不思議な感覚の本です。すっきりしない部分も多いのだが物語として成り立ってる気がするんです。
2016/03/12
風花 kazahana
「黄昏旅団」なんて なんだか星空の世界でも旅するかのようなロマンあふれるタイトルに誘われてしまったが 旅をするのは 心象風景の「道」そこをとにかく歩く。読み進めながらも それがどういうことなのかすぐには分からず あとからそれがわかってくる。とても不思議な物語だった。なかなか です。ます。という表現になれず 読むのに時間がかかってしまったが 十分読み応えがあった。アニメなんかでこの世界は表現できるのかもしれない。
2023/05/10
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