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朝が来る

朝が来る

朝が来る

作家
辻村深月
出版社
文藝春秋
発売日
2015-06-15
ISBN
9784163902739
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朝が来る / 感想・レビュー

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starbro

前作の「ハケンアニメ」とうって変わって、今回は非常に重いテーマでした。辻村深月自身が母親になったことで、こうした作品を執筆する大きな要因になっているんでしょうネ。少子化が加速する時代を背景に、不妊治療、特別養子縁組、親子間の問題等をリアルに物語に昇華させています。最後に一筋の明るい未来(朝)が見えているのが救いかも知れません。いずれにしても人口が減少して栄える国は歴史上もないので、政治家はもっと真剣に実効性のある少子化対策を考えて欲しいと思います。

2015/07/08

風眠

いきなり上から目線だけど、辻村深月、風格が出てきたと感じた。容赦のない現実を重厚な筆致で描きながらも、読者を置いてけぼりにしない。これって物凄いことだ。「子どもを、返してほしいんです」穏やかに暮らしていた家族にある日かかってきた電話。子どもを望んでも授かれなかった夫婦と、望まれない出産をし子どもを手放さなければならなかった中学生の女の子。特別養子縁組が繋いだ両者の葛藤とその後が、あの一本の電話に収束していくまで、別々のノンフィクションを同時に読んでいるようだった。夜は必ず明ける。朝は、来る。どんな時でも。

2015/08/29

遥かなる想い

辻村深月が描く母親視点の世界..さすがに 感情の機微を巧みに描いている。 「子供を返して下さい」という生んだ母と 産めなかった母..心がえぐられるような感情の 起伏を巧みに盛り込みながら、読者を巻き込む 展開は本当に上手い。「母になる」こととは 何なのか。子供は本当に「朝」を運ぶのか。 佐都子とひかりの対比的な人生を描きながら、 「家族の時間」の意味を問う、そんな 現代的な母と子の物語だった。

2016/04/10

yoshida

辻村深月さんの作品はデビュー作から読んでいる。初期の作品にあったファンタジーの要素は本作では無くなり、リアリズムのある社会的な作品となった。人間の心の動きを巧みに描く技法は更に冴え、時事問題にも鋭く切り込む。病気により子を持てない栗原夫婦は不妊治療を諦める。特別養子縁組の制度を知り、栗原夫婦は待望の子を得る。産みの母を名乗る女性から金銭を要求されるのだが。中学生の無知な為の妊娠という昔からある内容。世間体ばかりで、ひかりと向き合わない両親の冷たさ。そこに無知も加わり、苦しむひかりの哀しさ。一気読みです。

2017/02/14

takaC

ひかりに幸あれ。朝斗に幸あれ。栗原夫婦に幸あれ。片倉一家にも幸あれ。

2015/08/10

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