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みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記

作家
星野博美
出版社
文藝春秋
発売日
2015-10-06
ISBN
9784163903460
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みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 / 感想・レビュー

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壮の字

星野博美初太刀。手習いの楽器リュートの来歴に導かれ「南蛮のみち」をゆく。ザビエルによりキリスト教が伝えられた一五四九年から江戸幕府の”鎖国”開始直後までの約一世紀間を「キリシタンの世紀」という。日本史では戦国、世界史では大航海時代にあたる。たぎりにたぎった東と西がぶつかったのだ、お互い会釈だけで済ますわけがない。島原、大村、長崎西坂、殉教者の多さに目が麻痺してくるようでもある。そして四〇〇年前に渡欧した少年たちを追ってスペインへ、イエズス会を生んだバスク地方を訪れる。無計画で、かつ深みのある旅だった。

2019/07/09

それいゆ

このたび高山右近が福者になりますが、天草四郎が列福申請されない理由をこの本を読んで初めて理解しました。殉教者と認められることがいかに難しいか、無抵抗・非暴力が必須条件なので、島原の乱での犠牲者たちは殉教者とはならない!そういうことだったのですね。長崎大浦での信徒発見後に起こった悲惨な迫害についても初めて知りました。日本では聖人42名福者393名、計435名が列聖・列福されていますが、今回初めて右近が個人で単独列福となります。2017年2月7日、大阪城ホールで行われる「高山右近列福式」を心待ちにしています。

2016/10/22

まーくん

一週間近く、じっくり読んでしまった。古楽器リュートを習う話に始まり、外房の漁師だった先祖の話など、一見脈絡のない話から16世紀のキリスト教伝来の話へと誘われていく。順調な布教の進展の後に訪れる秀吉、家康による迫害そして大殉教。書を読み、土地を訪ね、あの時代のキリシタンの姿を情熱を持って追う。本書を辿るうち、いつの間にか、教科書的単語の羅列が「キリシタンの世紀」として、現実の世界のように色彩を持って現れたような気が・・。列聖列福などカトリック教会について知らなかったことも多かった。良書に出会えた。

2018/10/21

kawa

戦国時代、信長あたりからのキリスト教布教活動100年の苦闘と悲劇を「キリシタンの世紀」というそうな。本書はその時代を題材とするタイトル通りの正に私的作品。この時代のなるほどと膝を打つ知見に魅せられて長編500頁、何度か寝落ちしながらも読みを諦めさせないパワーの中で読了。私的と称するタイトルなので、ああだこうだと突っ込みを入れることは無粋なのだけれど、死を賭して殉教に向かわせる宗教とは何かというアプローチがあれば更に満足だったかも。まあぁ、ないものねだりというか、永遠のテーマかもしれないのですが…。

2019/06/11

naoudo

中上健次『紀州 木の国・根の国物語』を思い出した。神父たちが国外追放された1614年から400年。世界遺産登録へ向かう長崎。日本が消そうとしてきた迫害の歴史。事物を目の前にした時の、言葉を拒絶する現実と向き合った告白が重かった。資料を調べて歴史を辿るのではなく、作家の身体で歴史と向き合う。文学界の雑誌連載を一冊にまとめたことで、異様な膨らみがあった。一貫したテーマを追ったというよりか、作家の向き合った熱量に圧倒された。スペインに形として残る歴史と何もかもが消し去られている長崎。海と楽器がつなぐ記憶の旅路。

2016/11/14

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